大分建設新聞

インタビュー

伊藤 義明さん(別府土木事務所長)

2013年05月03日
 30年ぶりの別府土木事務所勤務。「生まれも育ちも別府なので新鮮な感じはない。ただ、前任地が日田だったので管内の海と海岸線のきれいさには改めて感動した」と切り出した。「大分県国際観光船誘致促進協議会の総会に出席したばかりだが、港湾管理者の一人として、観光に役立つ整備も地元にとって必要だと感じた」と観光と港湾整備にも関心を示す。「海に向かって下っている九州横断道路に、米国のサンフランシスコのように路面電車を走らせたらいい観光資源になると思うのだが」と、荒唐無稽と断りながらも夢を語った。  現実の事業では、「ちょうど現場が住宅地にかかっている別府挾間線の整備を地域住民のためにも早期に終わらせ、大分大学病院へのアクセスを良くしたい。それから大田杵築線も石山ダムにニールセンローゼ橋を架けるのが今年発注予定なので気になっている」と2つの重点事業を挙げた。八坂川も上流域にまだ事業が残っているので早期改修をしなければ、と付け加えた。  業界については、「皆さん新政権に期待しているが、整備方針が維持補修重視に変わってきているので、高度成長期の頃のようにはいかないと思う。これからは特殊な工法などが増えてくるので、品質を高めるためにも技術力を向上させて、人材育成にも力を入れてほしい」と注文。  特に人材育成は業界と行政が一体となって進めたいと積極的だ。「経費節減で経営がスリムになりすぎているのが心配。先が見えない状態なので仕方ないが、災害発生時の際など技術者が足りなくなる。建設業協会などで組織的に補完できるようなシステムを築いてほしい。昨年の豪雨災害の際の日田支部では、ブロック割もしっかりしていてそれが良くできていたと思う」と災害復旧で活躍してくれた業界の貢献に感謝の言葉を忘れない。  昨年まで日田への通勤の往復に時間を取られることが多かった所長。地元に戻って時間に余裕ができたのでウォーキングを始めたという。趣味のゴルフのための体力づくりにも効果がありそうだ。      略歴  昭和53年、県職員に採用と同時に国東土木事務所に勤務。その後、高田、大分土木などを経て、宇佐土木と前任の日田土木で2度所長を務めた。58歳。 




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