大分建設新聞

インタビュー

青木 正年さん(西部振興局長)

2012年09月04日
 7月に2度、管内の日田市などが豪雨災害に見舞われた。西部振興局の青木正年局長に当時の話を聞いた。  「7月1日午前0時10分に警報を受けて登庁したが、テレビの音が雨音で聞こえないくらいの激しい雨だった。いったんおさまったものの、3日目の早朝5時に再び登庁。その時は花月川の現場を視察したが、丸山町は浸水して行けなかった。あまりのすごさに声も出なかった」と当時を振り返る。  気象庁のレーダー解析では1時間に110㍉の雨量を観測し、その間に水位が3・48㍍上昇したという。  「通常は1ヵ月に330㍉程度の雨量が、3日間でその1・5倍が降ったのだから尋常ではない。被災者の方々は本当に大変だっただろうと思う。そんな中、いち早く対応してくれた建設業者には本当に感謝している。多くの業者が行政からではない地域の要請に応えて自主的に出動していた姿には感動した」と建設業者が地域に頼りにされているのを実感したという。「これから通常の仕事も増える時期だが、災害復旧の方もなんとか頑張ってほしい」とねぎらう。  県は、9月補正予算案で、災害対応に305億円を計上した。うち約200億円が管内分という。技術者不足が心配されるが業者には頑張ってほしいところだ。  「今年は災害で始まったが、管内は、1市2町の地形が織りなす自然とお祭りなどの魅力ある行事が多く、歴史を感じさせるすばらしい地域。着任当初は広いなあと感じたが、地熱、風力などの自然エネルギー、出生率が県内で最も高く子供が多いなど未来に必要なもの全てが揃っている。小規模集落が56地区あって、取り巻く環境は厳しいが、元気を出して進もうとしている人たちがたくさんいるので、共に汗を流して働きたいと思っている」と赴任後5ヵ月間本当に忙しい毎日を過ごしたが、ようやく落ち着いて管内を見渡す余裕が出てきたようだ。  「今後は、他県、他市町村からの人的支援を受けて、コンサルタントの方も大変だとは思うが、より奮闘いただいて、知事の発言にあるように、できるものはできるだけ早くやる方針で年度内に消化したいと思っている。もちろん、橋りょう、水路の長寿命化など通常業務も適切、確実に進めたい」とまだまだ休まる日が遠いことを感じさせる言葉で締めくくった。


「災害復旧だけでなく通常事業も着実に進めたい」と青木局長

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