大分建設新聞

インタビュー

小川 浩さん(東部振興局長)

2012年06月29日
 「まさか自分が大分で暮らすなどとは思ってもいなかった」と切り出した。出身は三重県伊勢市。大学生の時、大分県の海洋牧場にあこがれ、県職員採用試験を受け、水産技術職員に採用された。  昭和55年から3年間、国東で水産業改良普及員として勤務。「当時は若い人も多く、〝親不孝通り〟と呼ばれた飲食店の通りもあったほど活気があった。今回国東に戻ってみると、道路は良くなっているけど、人口は減っていて、寂しく感じた。定住促進と交流人口をいかにして増やすかが課題。そして今年度は安心・活力・発展プラン2005(2012年改訂版)の実行元年。職員一丸となって、成果を挙げたい」と抱負。  管内には、ため池が約700もある。老朽化が進み、防災面で問題のある池もあり、今年度は10ヵ所で改修する。来年度は久木野尾ダムが完成し、供用が始まる。国東、大田、日出、山香地区では中山間地域総合整備事業を実施中。ほ場の大区画化や地下かんがい用水のパイプライン化、畦畔法面緑化などの推進で、農業生産の効率化・省力化を目指す。  振興局の業務は、農林水産業を中心に、商工業、観光、地域振興と幅が広い。管内を精力的に回り、これらの課題を目で確かめている。  新しいところでは、姫島村が目指すジオパーク認定や、「千年ロマン時遊旅行」と銘打って、姫島村は古代を、国東や宇佐では仏教文化などの歴史をもっと売り出そうと、様々な観光資源をテーマごとに打ち出している。「ぜひ地元のいいところを再認識してほしい」と力を込めた。  「建設業は地域経済を担う産業。元気になってもらいたい」。県では19年からは企業の農業参入を推進、管内では参入した23社のうち8社が建設業だ。「難しいこともあるかもしれないが、県はきめ細かい支援をする。積極的に手を挙げて新たなチャンスを引き寄せてもらいたい」と期待を寄せた。  自宅は日出町で、単身赴任中。テニスと読書が趣味。〝晴球雨読〟が希望だが忙しくてなかなかテニスはできない。司馬遼太郎をこよなく愛し、「街道をゆく」がお気に入り。


鹿児島大学水産学部卒。昭和54年、県職員に。南部振興局農山漁村振興部長、水産振興課長、漁業管理課長を経て、今年4月、現職。57歳。

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