大分建設新聞

インタビュー

軸丸 恒宏さん(別府土木事務所長)

2012年05月25日
 別府土木勤務は2度目で、最も思い出深い事務所という軸丸さん。平成9~10年の最初の赴任時に2年続けて八坂川が氾らん。地元の河川改修の要望がピークに達した時で、その対応に追われたのが忘れられないという。その八坂川改修事業も今では終わりに近づいており感慨深いようだ。  これからは、大田杵築線や富士見通南立石線(旧富士見通鳥居線)、別府港関連事業などの予定通り完成に重きをおく。中でも、別府挾間線が最も気になる路線という。「トンネル工事も終わり、国道10号までもう少しのところまで整備が進んだが、JR日豊線をまたぐ最後の橋梁が電車の通らない時間帯(夜間)の工事になるので地元の協力が不可欠。地元との調整に全力を尽くしたい」と語る。過去の経験からも、事業を進める上で地域住民の理解が最も大切な要素と考える。  そのほかの気になる事業は、「小さな事業も大事にしたいし、防災対策も重要な課題。水害はもとより、津波対策、鶴見岳・伽藍岳の噴火対策なども注視していきたい」と安全安心の県土づくりも忘れない。  軸丸さんは、これまでに八坂川の水害をはじめ、平成3年に日田地域で発生した風倒木災害、17年に道路が分断された緒方高千穂線の復旧などに携わり、防災の大切さを誰よりも知る身だ。最近、防災士の資格を取得している。  職員にも、災害時に迅速な対応ができるよう働きやすい環境づくりに気を配る。意思疎通を図るため、一日に一度は全職員と顔を合わせるよう庁内を回るそうだ。  管内の建設業者には、「国、県の財政事情が厳しく、非常に厳しい状態を強いているが、社会資本整備や特に緊急時の対応に建設業はなくてはならない産業。社会の要請や技術動向に注意しながら、技術研鑽に努めて頑張ってほしい。できれば、新たな社会資本整備の提案などもしてほしい」と、技術士など多くの技術資格を持つ軸丸さんらしい助言。  普段は忙しいが、休みの日には映画や韓国ドラマを楽しむ。また、昨年生まれた初孫が、かわいくてたまらないと相好を崩した。昭和28年8月生まれの58才。


 昭和49年、佐伯ダム建設事務所を振り出しに、国東、豊後高田、日田各土木事務所などに勤務。国東土木所長、漁港漁村整備課長を経て今年4月、現職。

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