大分建設新聞

インタビュー

山田 英治さん(県南部振興局長)

2012年05月19日
 平成17年3月に1市8町村が合併して誕生した新佐伯市。山田さんは、県から出向し、合併協事務局次長として、この大型合併に関わった。「佐伯市の面積は九州一で、とにかく広い。山、川、海と全てが揃っている。農業は全体に小規模でも、施設園芸があるし、林業は日田と並んで県内有数の地域。水産業は養殖業や加工業も合わせ県内一。古くから造船業が盛んだし、医療産業も順調に伸びている。悲願の高速道路が開通し、グルメ観光の客が増加するなど市の経済はバランスがとれてきたと思う。ただ、周辺部の過疎・高齢化が進んで若干元気がないように感じる」と7年ぶりの佐伯の印象。  県職員になって34年。その大半は総務部暮らし。人事課に6年、秘書課6年、地方課2年、合併協事務局も出向4年を含め18年ほど。20年4月に福岡事務所長に。「福岡が一番面白かった。あそこは、仕事相手の多くは民間業者で、それまでの役所同士でやっていた仕事のやり方と全く違う。予算がなくてもいろいろな仕事をする必要があることがわかった。こちらが発案した企画を民間業者とマッチングさせ、少しの予算で大きなツアーを仕立てたこと。また、佐伯市が毎年、地元テレビ局とタイアップして、福岡市で開いている物産フェアの、最初の橋渡しをしたのも福岡事務所長のとき」と。総務から〝現場〟に出て、得ることが多かったようだ。  「佐伯は自然資源や農林水産業、商工業など、それぞれの分野の潜在的ポテンシャルが高い。これを何とか生かしたい。例えば、従来型の農は農だけ、水産は水産だけでなく、異業種間の連携で新しいポテンシャルを創りだし、資源と地域特性を活用した産業展開を図るべきだ」と指摘。さらに「従来のように物を売り込むだけでなく、買ってくれる人、来てくれる人の視点に立った〝ものづくり”が大事。福岡の人たちが欲しい、行きたい、体験してみたいと思うことと地元が勧めるものが一致すればしめたもの」と、観光の最前線で指揮を執った人ならではの提案。  職員には「一市一振興局の強みを生かし、市と協議しながら、一丸になって課題に取り組み成果に結びつけよう」とハッパ。「建設業界と我々が一緒になって、公共工事のあり方を含め根本的なことから考えていく必要がある」とも。  生まれ育った大分市吉野の自宅に奥様と両親を残して単身赴任。「ジョギングを始めたところ、すっかり体調が良くなった。これも単身赴任のおかげかなぁ」。5月10日に57歳になったばかり。 略歴  昭和53年4月 県職員に。国際交流室長、福岡事務所長、前任の人事委員会事務局公務員課長を経て、今年4月、現職。




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