大分建設新聞

インタビュー

中野  道男さん(佐伯河川国道事務所長)

2012年05月10日
 「着任間もないころ、番匠川の堤防をサイクリングしていて、『おはようございます』と声をかけると、若い人から高齢者まで、誰もがきちんと挨拶を返してくれ、一番ほっとした。海の幸、山の幸に恵まれた良いところだと聞いていたが、それ以上に、地域の方々の温かな人情に触れ、うれしかった。と同時に、頑張らねばと責任感を感じましたね」と佐伯の印象を語る。  20歳代の十年は建設省中部地方建設局に勤務。その後、九州地方建設局に移り、主に道路関係の仕事に携わってきた。「名古屋港に伊勢湾岸道路の計画があったが、約60㍍の超軟弱地盤地帯のため、名港大橋前後の高架橋の基礎支持地盤をどこにするかが大きなテーマだった。深さ30㍍くらいの所に約5㍍の中間層があることがわかり、支持基盤にならないが試験杭打ちから始めた。載荷試験により結果的には中間層にSC杭を打つことになった。20代で重要な作業を任され、試行錯誤の連続だったが完成した時は胸に迫るものがありました」と若い頃の思い出を語る。  「今年度約130億円の予算が付いた東九州自動車道。蒲江~北浦間のうち当事務所の管轄になる蒲江から県境まで、防災面などからも今年度内供用をやり遂げたい。佐伯~蒲江間は、先日、佐伯南インターの連結許可がおりたので、佐伯市などと十分に協議を重ねて事業を進めたい。また、この区間で未着手の谷川、山口第1の2つのトンネルについては、今年度中には発注を済ませたい。このほかでは、10号、57号の橋梁やトンネルなどを日頃から十分に点検し、不具合がわかった時点で速やかに補修するなど不測の事態に備えたい。また、10号野津市地区の自歩道整備は今年度が最終年度。残り200㍍を早く終わらせたい。河川では番匠川の灘地区無堤防解消や下流左岸堤防の液状化を防ぐため地質調査などを進め完成していきたい」などと重点事業について力強く答えた。  職員には「仕事はみんなでやる、組織でやるもの。一人で抱え込まず、みんなで解決していきたい」と強調。「緊急時に一番頼りになる、地域を知っている地場の業者を大事にし、地域で働く人や住んでいる人々がニコニコするような仕事を心がけたい」と地元業者への気配りも。  福岡県筑前町の自宅に奥様と息子さん一人を残し7年ぶり4回目の単身赴任。「2人いる息子の一人が近いうちに結婚するんです」と。鹿児島県出身。    略歴  平成15年、大隅河川国道事務所副所長から佐賀国道事務所副所長、九州地方整備局道路部道路計画第二課長、同企画部広域計画課長を経て、4月1日付けで現職。 




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