大分建設新聞

インタビュー

藤原公司郎さん(日出水利耕地事務所長)

2011年07月07日
 恐らく最後の現場になるだろう、という思いから日出水利耕地事務所を希望したら認められ、県内でできるだけ広く関わりたいという念願がかなったという。防衛省の障害対策事業も抱えるため、事業量や職員数は多い。「職員には自由にのびのびと、やりがいを感じてもらえるようサポートしていきたい。出来上がったものを、後に見に行きたくなるような仕事を経験して欲しい」と。  農業関係の公共事業は、ピーク時に比べ半減した。だが、「農政事業は地元の要望をもとに着手する性質がある。だからこそ、市町村とも連携をさらに密にすることを基本にしながら、生き残りをかけている業者にも、ぜひ地元からの意見を上げて欲しいと希望している。国の政策も変わりつつあり、造るだけでなく維持管理へと次第にシフトしている。発注者、受注者の区別なく、対等に意見しあいながら、本当に地域のためになる仕事を見つけ、造っていきたい」と言う。「積極的に意見してくれる業者さんの方が、安心できる」とも。  一般紙ではあまり報道されなかったが、東日本大震災で福島県ではため池が決壊し、下流域で7人が死亡した災害を例に挙げ、「地元を良く知る業者さんだからこそ異変に気づいたり、地元の方の声を聞けることもある。これまでのやり方ではなく見つける力、提案する力が求められる。計画通り、設計書通りではだめ」と指摘した。  一番記憶に残る仕事は?「日田での、広域農道天領大橋。ポケットパークも設置したが、今でも活用されているのでうれしい」と笑う。  やはり県職員の奥さんと二人暮らし。毎朝、玖珠川の土手を散歩するのが日課。休日は、マイ草刈機で、散歩コースやご近所の草刈りをするのも趣味だそうで、携帯電話に収めた〝施工前〟〝施工後〟の写真も披露してくれた。モットーは「シンプル・イズ・ベスト」。物事がルールで細かくしばられすぎ、複雑になって、自由な発想が奪われているのではないかと危惧する。59歳。 略歴  昭和54年、京都大学を卒業し、県職員に。玖珠、豊後大野、宇佐、中津、日田などの振興局や土木事務所を経て、前任は農林水産部工事技術管理室長。今年5月、現職。




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