大分建設新聞

インタビュー

森繁文さん(豊後大野土木事務所長)

2011年07月04日
 災害関連や調整費事業、ダム建設、大規模改修事業に多く携わってきた。「大変なことほど楽しいと言え」の精神で、仲間や地域住民に支えられて数々の難所を乗り越えてきた。自身の経験からも、職員に対しては「早さが勝負。目の前の仕事を一つひとつ確実にこなしながら、県民の要望には一丸となって迅速に対応を」と熱意にあふれる。  管内は、「まずは県平均を目指す」という道路改良率の低さが課題。特に、東西に走る中九州横断道路と国道502号を南北に結ぶ基幹道路網の構想の中でも、三重千歳インターから三重市街地、502号をつなぐ中心的路線である三重新殿線は、早急な完成が望まれている。「はしごの重要な1本が足りない状態だと感じている」と、最も注目している事業だ。また、住民協働での「道づくり」「川づくり」の取り組みも継続。三重川や平井川の広域河川改修事業にも、住民の声を積極的に生かしていく。  「建設業に従事する住民の比重が大きいため、予算の増減の影響は地域活性化や日常生活に直結する」と、管内の建設業者の動向を案じる。「東日本大震災の報道にはあまり出てこないが、いちばんに動いたのは建設業の重機オペレーター。実に尊い姿だと感じた。建設業界の皆さんには予算の厳しい状況は続いているが、どうか頑張っていただきたい。そのためには行政も工事の発注事務などに関して、品質の確保を第一の目標として様々な改革を進めていく」と力強く語る。  竹田ダム建設事務所に、開所当時から配属。その後、大水害の復旧に追われる竹田土木へ異動し「玉来川激甚災害緊急特別事業」を担当した。前任の大分土木技術次長からの異動で、「大野川を上流から下流まですべて担当できてうれしい。大分の母なる川ですから」と満面の笑顔で語る。  趣味は「人前で恥をかく練習ができる」というゴルフと、読書。『日本には建設業が必要です』(建通新聞社出版)の後書きで「建設業に携わる人々そのものがインフラそのもの」「ものづくりの現場への敬意が失われている点も、日本がかかえる問題」という言葉に深く同感したという。座右の銘は「お互いさま」と、ヘレン・ケラーの「アンラーン(学びほぐす)」。2人の娘は独立し、先日長女が結婚。披露宴では「泣かないつもりだったが、目から汗が2回出た」。別府市内で奥さんと猫2匹と暮らす。「地声が大きいから内緒話ができない」と、大声で笑う。誕生日は東日本大震災が起きた3月11日。57歳。 (小坂) 略歴  昭和47年、日田林工高校卒業、県職員に。佐伯ダム事務所を振り出しに、稲葉ダム建設や八坂川広域河川改修事業に携わるなど、主に河川畑を歩いてきた。前職の大分土木事務所技術次長を経て、今年5月、現職。




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