大分建設新聞

インタビュー

伊藤義明さん(日田土木事務所長)

2011年06月10日
 事業を進める上で伊藤所長が最も重要視するのが、地域住民の声をしっかり聞いて、現場主義に徹すること。職員にもそれを強く望む。  「日田管内は県内で道路整備率が最も低く、特に旧郡部の遅れをはっきりと感じる。農林業、物流、観光など産業も多岐にわたっていて、住民の方々からの要望が多いにもかかわらず整備率が低いのは気になる。東西の路線は意外と整備されているのだが、中津、熊本を結ぶ線が遅れている。早く整備したい」と、キヤノンマテリアルの進出で今後も物流が増加する地域の道路整備の遅れが一番気がかりだ。  気になる箇所を尋ねると、「212号の響峠付近や栃野西大山線の松原ダムから下筌ダムの間と、旧市内では212号の4車線化を早く進めたい。ただ、旧郡部は地形的に急峻な所が多く、難工事となって工事単価を引き上げているのも遅れの原因」と地形上のハンデに頭を痛める。また、山間部が広く危険箇所が多いのも砂防課時代からの心配事。合併によって旧役場が支所になり、土木技術者が離れて目が届かなくなったことも心配する。  今年の予想を聞くと、「先行き不透明感を感じている。地域に権限委譲するといって、一括交付金など予算制度を変えたはずなのに、東日本大震災もあって、予算はカットされ、予算執行の目が地方(大分県)から離れるのは困る。アンテナを張って国の動きをはっきり見極めて事業計画を練りたい」と思わしくない予想。  建設業者に対しては、「予算が減ったので、まずは適正価格での受注を心がけること。それと技術的な工夫で工期短縮を図るなど、自らの力をつけてほしい。災害時には力を借りるわけだから、県も力をつけるための支援をするので頑張ってほしい」とエールを送る。  週末は奥さんと二人の子供が待つ別府市の自宅に帰り、ゴルフか庭いじりでストレスを解消するとのこと。56歳。 略歴  昭和53年、県職員採用と同時に国東土木事務所に。別府、高田、大分各土木などに勤務、平成21年に宇佐土木所長。前任の砂防課長を経て今年4月、現職。




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