大分建設新聞

インタビュー

奈須宏二さん(佐伯土木事務所長)

2010年04月30日
 「佐伯勤務は初めて。東九州自動車道が延伸して、大分市からの所要時間が大幅に短縮され、佐伯を訪れる観光客が増えていると聞く。私は宮河内インターから高速道で通勤しているけど片道50分程度。大いに助かっている」と言う。  「河川課勤務の頃災害査定などで管内の河川や道路を部分的に見て回った。赴任して、管内を一巡してみると、改めて佐伯は九州で一番広い市なんだと実感した。だからこそ、高速道効果を促進するため引き続き佐伯~県境間の早期開通やアクセス道路整備、市民が要望している佐伯南インター設置の支援、佐伯港のマイナス14㍍岸壁背後の埠頭用地整備などを推進し、港と道路の両面から佐伯市がさらに活性化するように取り組みたい。さらに佐伯は地形、地質が複雑なため県内で最も危険個所が多いので、砂防ダム整備や急傾斜地崩壊対策工事を着実に進め災害防止に努めたい」と課題と抱負。  平成2年に大水害を受けたJR豊肥線沿線18㌔の大野川中流域災害助成事業では、チーフとして国への採択申請から携わった。半年間で2日しか休みが取れなかったが、5年間かけての改修が一段落した時、本当に技術屋になって良かったと思ったそうだ。また、河川改良「八坂川(杵築市)のショートカット事業」では、河口周辺の生態系に配慮して施工したことなど、河川改修や砂防関係などの仕事が多かったと思い出を語る。  「今後は新規事業よりも、耐震補強や公共構造物の補修・補強などの工事が多くなる。必要な技術を研究・導入して、ニーズに応えられるよう努力してほしい」と建設業界に助言。  職員には「多様な行政ニーズに対応できるよう、各種のボランティア活動に積極的に参加し、地域の住民の方々と交流する機会をつくって欲しい。住民とふれあうことにより多種多様な意識や価値観があることがわかり、県民の気持ちを十分理解した上での事業推進に結びつくことになる。特に技術屋は、視野が狭くなりがちなので」と注文。  「40代の頃、事務所対抗駅伝などで走っていたけど、ひざを痛めて、走るのはやめた。近頃はゴルフを楽しんでいる。東京の3人の孫が、夏休みなどに戻ってくるが、その時は孫の相手が優先」と目尻が下がる。長女、長男は東京で社会人。次女は東京に嫁いだ。大分市森町の自宅で奥様と2人暮らし。   略歴  昭和45年、大分工業高校卒。同4月、県職員採用。砂防課参事、県地域づくり機構土木事業部長、宇佐土木所長、河川課長などを経て、今年4月、現職。58歳。




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