大分建設新聞

インタビュー

河津龍治さん(河津建設社長)、総合評価はチャンス

2009年06月16日
 河津建設(株)(日田市)は、「最新の技術で品質の高いものを造り、高品質を継続的に提供、企業活動を通じて、地域社会の発展に貢献する」を理念に建設業を営む。その傍ら、介護老人ホーム、マンション、うどん店など異業種にも参入。中でも「ケアマンションひだか」は、社内に社会福祉事業部を設け、17年に約4億円をかけて建設した。  河津社長(56)は「公共工事は半減し、業界は淘汰が進むのではないか。経営安定化のため新規事業参入を決意した。いろんなプランがあったが、最終的に、高齢化社会は加速、老々介護も社会問題化する中、地域貢献にもつながる福祉事業への参入を決断した」と経緯を話す。開業後3年が経ち、経営は安定したという。  介護ホームの運営は本業にもプラス効果をもたらしている。「介護のノウハウが蓄積され、請け負った介護施設の建設に際して、施主に対し介護内容に応じた提案ができるようになった」というのだ。  福祉など異業種参入といっても、「今は建設業が9、福祉その他が1の割合。本業は見失わない。あくまでも建設業主体でやっていく」とスタンスははっきりしている。  「総合評価落札方式導入で、今は案件が必ずしも落札できるか予測できない状態になった。しかし、逆に今はチャンス。技術力が評価されるようになり、技術を上げることで受注機会も広がる。優秀な技術者に負うところが大きくなる。技術力は財産」と強調し、教育・研修にも力を入れている。  本業41人、その他20人の社員を抱える。最も気を配っているのは、「社員のやる気と力を引き出すこと。社員の考えを知ること」と言い、「不満を持って辞められるのは、会社を否定されたようで辛い」と話す。不満の出やすい、給料、仕事や人間関係など、社内アンケートを取ったりしながら状況把握に努めている。「社員あっての会社」と力を込めた。  学生時代はラグビー部に所属。大分県ラグビーフットボール協会副会長、日田市ラグビーフットボール協会理事長を務め、子息二人も企業でラグビーをしている、文字通りのラグビー一家。休みの日はラグビー観戦か、ゴルフで鋭気を養う。




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