大分建設新聞

インタビュー

森田林さん(豊肥振興局大野川上流開発事業事務所長)、大蘇ダム対応に全力

2009年05月13日
 大野川上流開発事業事務所は、国営大野川上流農業水利事業の関連事業を所管する。この事業の農業用水供給源は大蘇ダム。ダムは15年度に完成したが、貯水試験の結果、ダム池敷からの浸透水が予想以上に多いため水が十分たまらず、ダムを造った農林水産省、竹田市の受益農家などは困惑している。  「農水省は、引き続き漏水の解明を進める一方、今後の対応策を検討しているが、その結果が出ない限り、農地への配水工事が実施できない状況。今後国、竹田市、関係土地改良区と十分協議して、できるだけ早く給水できるよう努力したい」と話す。しかし肝心かなめのダムがこんな状態では、動きがとれない。「今年秋には、ダムの漏水防止工事をするか、他の場所に水源を確保するかなど、今後の方向性が示されるので、それを待って、地元の要望を聞きながら、県営事業で整備を進めていく」と、いつでも発進できる構えは出来ている。  職員には、より現場重視の徹底を注文する。「基本的には、我々の仕事は土地改良。公共事業ではあるが、一つは農家に負担を求める仕事なので、地域の方々や農家の要望にスピーディーに応えられる体制づくりが肝要。自ら積極的に地域に飛び込んで、農家の方々と、時には雑談でもいいから言葉を交わし、また、どんな小さな要望、意見も聞くこと」と、求める。  建設業界については、「公共事業費の減少が著しく、農政関係でいえば、今はピークだった平成10年の半分以下。業界は経営に大変苦労している。それに、入札制度改革により従来にも増して技術力が問われている。また、生き残りをかけて建設業以外への事業展開で農業などに参入している会社もあり、地域の基幹産業として、大いに頑張っていただきたい」とエール。  趣味はゴルフ、読書。健康のために毎朝愛犬と散歩している。臼杵市野津町で奥さんと母親との3人暮らし。  略歴  昭和44年に三重農業高校農業土木科を卒業、県職員に。初任地は国東事務所。農地整備室補佐、工事技術管理室参事、豊肥振興局農林基盤部長などを経て今年4月、現職。




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