大分建設新聞

インタビュー

片岡登喜男さん(県農林水産部長)、建設業の農業参入に期待

2009年04月15日
 若いころから、農林水産部の中枢で農業行政に携わってきた片岡さんが、技術畑出身としては12年ぶりにトップに就任した。「農林水産業の再生は、広瀬県政の重点施策。取り巻く環境は厳しいが何とか再生できるよう頑張る。社会・経済の急激な変化にスピード感をもって対応していきたい」とこれまでの経験を基に新たな挑戦を熱く語った。  知事が唱える“もうかる農林水産業”にするため、高価格で売れる産物の、生産と販売方法に取り組む。例えば、農業では、マーケット重点のものづくり、商品づくりをするため、流通担当のマーケターを東京、大阪、福岡に派遣し、消費者ニーズを把握。それを産地につなげて売れるものをつくる。市場で高価格で取引されるためには、大量周年出荷が大切で、イチゴやニラ、ピーマンなどは各地の市場に分散出荷しているのを京都青果市場に集中出荷し市場の評価を高める。  宇佐市に完成した小ネギの広域集出荷貯蔵施設は、スーパーなど小売業者が希望するパッケージに迅速に対応できる九州で初めての設備。生産者の省力化・効率化が期待できるので、小ネギの栽培面積を現在の約30㌶から、今年度は宇佐市を中心に約10㌶増やす。  林業では、林家と製材業者と木材販売業者が一体となって市場の評価を高める活動をする。水産業では、タチウオのブランド化やブリのフィレ加工による付加価値向上のほか、マハタやカワハギなど価格の高い養殖漁業をスタートさせる。  担い手の育成や農地の利用率向上も重要な課題。建設業に対しては、農業に参入し、県農業を担い耕作放棄地を活用することに期待を寄せている。  建設業界は、公共事業の減少の中で、これからは技術力の向上が重要と見ている。同部の公共事業も圃場整備や農道は終わりに近づいている。今後の圃場整備は、大型農機具に対応できる1㌶区画に広げる必要があり、今年度、宇佐地域でモデル的に実施する予定だ。  趣味は、主に県南海域での舟釣り。狙いは、タイ、ヒラマサ、クロなど多種。月1回は出かける。出身は別府市だが、現在は大分市内で奥さんと娘さんの3人で暮らしている。 略歴  鹿児島大学農学部大学院卒。昭和51年に県入り。農林水産部研究普及課長、同参事兼農林水産企画課長、県北部振興局長を経て現職に。昭和27年4月1日生まれの57才。




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