
中野五郎臼杵市長
2009年03月17日
―無投票での初当選でしたが、率直な感想を。
中野 無投票は、大変ありがたいことだが、市民の皆様方の無言の支持と考えると、改めて責任の重さを感じる。
―後藤前市長から何か要望がありましたか。
中野 「中野カラーを出してやりなさい」と励まされた。日本一の市役所づくりを念頭に職員の意識改革に取り組んでいきたい。また、大きなインフラ整備を10年から20年のスパンで計画しており、教育・福祉・地域づくりなどのソフト事業にも焦点を当てていきたい。
―マニフェストで「希望・安心・活力の、笑顔のゆきかうふるさとづくり」を掲げていますが、もう少し具体的に。
中野 「希望」とは、子どもたちが臼杵で育ってよかったと思える、豊かな教育環境づくり。夫婦共かせぎ世帯が増えているが、子育てを支援できるように児童クラブを全小学校ごとに設けたいと考えている。
「安心」は、心豊かに安心して暮らせるふるさとづくりに向け、地域パートナー制度を創設する。幹部クラスの職員それぞれが担当地域をもち、地域の要望を直に聞いて吸い上げ、活性化に取り組んでいきたい。
「活力」は、職員の人材育成に努め、職員が市民と一緒に汗を流すことにより、市民との信頼関係が生まれ、それが臼杵のまちの活力につながると思う。
―まちづくり交付金事業や消防庁舎の移転などハード面の整備については。
中野 まちづくり交付金事業は、第1期事業で取り組んできた臼杵城趾大手門公園を中心とした一帯の景観整備事業が20年度で終わり、次の5年間の第2期事業で約7億円を投じる計画。鐙(あぶみ)坂の土塀修復、下稲葉屋敷の改修やトキハ跡地を利用した美術館、博物館の建設を視野に入れた事業の2つを計画している。
また、生涯現役のまちづくりを目指し、介護の世話にならずに済むように介護予防拠点施設の整備を引き続き進めていきたい。21年度は、廃校になった旧西神野小学校校舎を改修し介護予防だけでなく、地域づくりの拠点施設にしたいと考えている。
野津の「道の駅」構想は、大きな施設にこだわらず、産直の販売所などを含めた施設ができればと考えている。消防署移転は、土地開発公社サイドの問題などもあり、場合によっては少し遅れることも覚悟している。
臼杵港の港湾事業は、フェリー基地が良くなっても通過車両が増え、夜間の騒音や振動で付近の住民が迷惑を被るだけという見方もある。それに17・5%の地元負担金は重い。これからも国に地元負担の軽減を求めていきたい。
―最後に建設業者に向けて一言。
中野 建設業界は公共事業の激減で大変厳しい環境だが、市としてはこれからもできる限り国や県の補助金などを利用して、事業を積極的に推進していくつもりだ。
略歴
昭和48年、九州大学卒。翌年野津町役場入り。総務課長などを経て平成13年、町長に当選。19年、臼杵市副市長、21年1月、市長に就任。62歳。

