大分建設新聞

インタビュー

味岡和國さん(味岡コンクリート)

2008年11月28日
 「このままでは利益どころの話じゃない。大分の市場そのものが崩壊する恐れさえある。利益なき競争をやめ、業者同士が協力し合って市場の正常化を図らなければならない」。こう語るのは、この数年、県内はもちろん九州全域さらに広島や滋賀県の生コン市場で急速にシェアを伸ばしている味岡生コンクリートグループ(本社・熊本県球磨郡あさぎり町免田)の味岡和國代表取締役社長(61)だ。  18年前、同県人吉市で兄弟とともに建設業を起こし、やがて生コンクリート市場に参入。現在、九州を中心に20ヵ所を超える工場を展開して、約100億円の売上げを達成している。大分県には2年前に豊肥地区の地元生コン会社を買収する形で進出し、現在、豊肥、大分、臼杵地区に5工場を持っている。それだけに県内市場を熟知している味岡さんから見た大分の生コン市場は、最悪の状態だという。  「私が想像していたものとまったく違う市場の実態になっている。特に大分地区はおそらく日本一安いと思われる乱売合戦、たたき合いが続いており、利益どころか経営破たんに陥るほどの会社が続出している。最近も大分市のある会社のオーナーから〝身売り”の話がきた。1件や2件ではない。これからも次々に来そうだ」と言う。  事態はきわめて深刻である。もちろん県生コン協同組合に加盟している大分地区の会員各社も、今回の未曽有の危機に緊急協議を重ねながら打開策を探っているものの、自社シェアを堅持しようとする各社の思惑がぶつかり合って、平行線が続いている。味岡さんも協議に参加し、大分地区市場の安定化に取り組んでいる。「私の本拠地の人吉地区では、建設業界と生コン協組が真剣に話し合って積算価格の改定案を熊本県に陳情し、県も了解して市場価格の安定化を進めた。しかし大分は難しい」と、一筋縄ではいかない大分の現状を憂えている。市場安定化のための各社の強い結束が望まれるところだ。




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