河村信義さん(三原組社長)
2008年07月11日
建設業界全体が不況にあえぎ、暗く長いトンネルから抜け出せない中にあって、売り上げを順調に伸ばしている会社があると聞いて、早速訪ねてみた。大分市須賀2丁目の総合建設業(株)三原組がそれ。社長の河村信義さんに業績を伸ばした秘訣をたずねると「自分でも不思議で、よくわからないんですよ。私のような、学歴もなく、特にスポーツに秀でているわけでもない、なんの取り柄もない人間がこの若さで社長をしていてよいのかとさえ思っているくらい」といきなり謙虚過ぎる答えが返ってきたのには驚かされた。
それではなぜ会社の業績が伸びたのかと問い返すと「周りの、支えていただいている方々のおかげでしょう。関係者、特に母親の深い愛情には感謝しています」と周りの支えを一因に上げた。
確かに、関係者の支えなくしては、どんな会社も伸びないことはわかるが、それだけで不況下を乗り切れるほど今の業界は甘くない。それならばと、顧客が三原組に感じたであろう魅力を問うと、「有能な社員とすばらしい施工能力を持った協力会会員企業の技術力は自慢できます。あとは創業以来培ってきた企業(お客様)との信頼関係でしょうか」とやっとこちらが求める答えが返ってきた。やはり、競争に勝つには、技術力と信用が不可欠ということか。
河村さんは社長に就任して3年目だが、三原組自体は昭和5年に創業した老舗で今年で81期目を迎える。バブル期は4億円以上を売り上げ、一時期1億円台まで売り上げが落ちたが、河村さんが社長に就任してからは売り上げを伸ばし続けて、昨期は3億円以上を売り上げた。本年度から等級も建築は特Aに昇格。宅建業の資格も最近取得して建売りという新分野進出も視野に入れる。今後大いに期待できる企業だ。
自分では取り柄がないという河村社長。実は、現役のサッカー選手で、エクスペンドというクラブチームのMFを務める。また、オオクワガタに魅せられ、現在、数百匹を飼育中という趣味も多彩で才能豊かな現在人なのだ。
皆春に奥様、子供2人と4人暮らし。36歳。