大分建設新聞

インタビュー

安田栄一さん(中津土木事務所長)

2008年06月03日
 中津は出身地で、3回目の中津土木勤務だ。前回は6年前で中津港の建設、都市計画道路小祝鍋島線、犬丸川河川改修事業などを手がけた。最も長くいたのは河川課で通算12年ほど。河川の専門家である。  ダイハツ九州が業容を拡大し、多くの関連企業が進出。中津港は重要港湾として、その機能を高め、中津市は旧下毛郡と合併。「活気ある地域になっている。さらなる発展のためには、基幹道路網の整備が急務」と強調。「身の引き締まる思い」と自然体の中にも、重要事業が集中する同事務所のトップとして、責任の重さを実感している。  中でも中津日田地域高規格道路、県道中津高田線拡幅、東九州自動車道の建設やこれら幹線道路に接続する道路網の整備が急がれている。  一方では、「地域住民が安心して暮らせるように、河川や砂防事業を促進したい。ただ、社会資本整備の必要性をいかに知ってもらうか。『土木の日』などを通じて、県がどのような事業に取り組んでいるかPRしていきたい」と広報の必要性を訴えた。  またソフト面では「スムーズに避難できるように、想定氾らん地域図作製、土砂災害危険地域の指定、中津市のハザードマップづくりを支援する」など、河川の専門家ならではの対応も次々。  状況はどこも同じだが、道路特定財源の暫定税率失効の影響で、事業の進捗に支障を来した。「発注が遅れたことなどで、資金繰りが一層厳しくなっている業者さんもあるのではと危ぐしている」と心配顔。「公共事業費の縮減が続く中にあって、当事務所管内は他の地区と比べ事業量は多いが、ピーク時に比べるとやはり、大幅な減少。今後も厳しい状況が続くことが予想される」と言う。  建設業に対しては「災害対策や雇用吸収力の面などで業界は大きな役割を果たしてきた。これからは経営力、技術力を身につけて、評価点を上げ、受注力を高めることが第一。また地域のパートナーとして、地域貢献をもっとアピールすることも大切。さらに異業種参入を真剣に検討してみてはどうか」とリスク回避策を提案する。  体を動かすのが好き。「豊後高田の小野所長や宇佐の奈須所長とは年齢が近いせいもあり、野球やゴルフ仲間」とか。座右の銘は「何事も前向きに取り組む」。中津で奥さんと母親の3人暮らし。58歳。 略歴  昭和43年、県職員に。平成17年、防災調整監、18年、豊後高田土木事務所長、19年、前職の河川課長。今年4月、現職。




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