重本悟さん(県中部振興局長)
2008年05月29日
県中部振興局は、県内6振興局の中でも県人口の約47%を擁する大分市、由布市、臼杵市、津久見市を管轄する県央部の振興局。農林水産関係の生産・流通の指導や農道、林道などの整備に加え、消防、青少年、消費流通、地域振興、中小企業対策など守備範囲は多岐にわたる。
「現場の声を反映した、振興局にしかできない視点で、現場と国、県との間にある振興局の役割を担っていきたい」。若い頃の農業分野での活躍と幅広い行政経験を積んできた、中部振興局では初めての技術畑の局長として、自信に満ちた就任の弁。
職員には「現場には多くのヒントがある。足しげく通い、現場の意見や要望を聞き、またこちらの情報も積極的に発信するように」と勧めている。
局には、6つの部(室)があり、それぞれ今年の重点目標3点をあげさせ、それを局長自らの手書きで局長室に掲示している。その中でも特に重点としていることは3点。一つは、道路整備。広域農道大南野津線・大分中部の2路線と森林管理道長目半島線の整備。二つ目は、企業の農業参入。今年度は3社の参入が目標。野菜1社、茶2社を目標に建設業者を含めて数社と交渉している。三つ目は、小規模集落対策。県内には高齢化率50%以上の自治区(いわゆる限界集落)が444集落あり、同局管内にも72集落ある。「孤立感を持たせないように日常生活に対する支援の仕組みをつくりたい」と知恵を絞っているところ。
農林水産部関係では、今年度から1億円以上の全工事が総合評価落札方式の対象になることから、「建設業者はそれに対応できるような技術力向上を」と一層の研鑽を期待。また、経営多角化のためにも農業参入を考えて振興局に相談に来てほしいと呼びかけている。
趣味は読書と散歩。読書は、経済書から歴史書まで幅広い。最近では「安岡正篤珠玉の言葉」。政治家などに信奉者が多い安岡哲学に感銘。散歩は毎日1時間、コースを特定せず速足で歩く、健康維持と思索に最適と続けている。
座右の銘は、安岡正篤の言葉「一燈照隅 万燈照国」。一つの隅を照らし続ければ万の灯火となって国をも照らすようになる、の意。
出身は宇佐市長洲だが、現在は大分市皆春で奥さんと長女の3人暮らし。長男は県外で独立。57歳。
略歴
明治大学を卒業、昭和52年、県職員に。知事室参事、広報公聴課長、企画振興部参事兼広報公聴課長などを経て、今年4月から現職。