池永 廣行さん(玖珠土木事務所長)
2008年05月28日
出身は隣の日田市だが、「玖珠は初めての勤務で、地理や地名が分からない所もあり、まず管内を知ることから始めている。面積が広く自然環境にも恵まれ、発展の余地と可能性を秘めた地域。歴史に配慮したまちづくり、九重〝夢〟大吊橋、温泉、地熱発電などそれぞれ特性をもった活性化対策が進められている。そうした地域づくりの要は、やはり道路や河川などの整備で、これらに少しでも役立ちたい」と語る。
17年に大水害に遭った九重町の災害復旧は、ほぼ終わった。災害について「過去の教訓を生かし、住民の安全確保を第一に災害には迅速に対応したい。そのためには地元の意見、要望をよく聞きながら地元と行政が一体となり、道路や河川整備を効果的に進めることが必要」と強調した。
池永さんは、「事業推進上不可欠なのは、地元との連携、町役場との連携、組織内部の連携の3つの柱」と言い、それぞれとの情報の交換と共有が重要だとして、職員にも「常に3つの柱を心がけ職務にあたるように」と声をかけている。
道路にも課題が多い。「国道210号、大分自動車道の東西軸は整備が進んだものの、南北軸の国道387号の整備が遅れており、一部着手した387号町田バイパス工事の整備を急ぎたい。このほか大吊橋へのアクセス道でもある県道飯田高原中村線の改良推進など、地域交通ネットワークの充実に近づけたい」と言う。
このほかでは、6ヵ所で進めている砂防ダム工事の早期完成を目指す。防衛省事業は、今年度は日生台演習場がある県道川上玖珠線(一部戦車道)の舗装補修や改良などを含め、道路で4億2000万円、河川・砂防ダムで2億円の事業を予定。管内全体では今年度約29億円の事業費を見込んでおり、その大半は道路事業だ。
建設業界に対しては、「17年の大水害時のような災害復旧など業界の協力と機動力がなければ復旧活動は成り立たない。地域の安全確保と発展を支え、社会資本整備に貢献している業界関係者には誇りと責任をもって活躍していただきたい」「私たちとしても業界の地域貢献をもっとアピールしていきたい」とも話す。
落着いたら好きな自然や歴史的背景の地を訪ねたいという。大分市明野の自宅から車で通勤。57歳。 (岩下)
略歴
大阪工業大学を卒業して、昭和49年に県職員に。佐伯土木道路課長、日田土木次長兼企画調査課長などを経て、今年4月、現職。