小野正幸さん(豊後高田土木事務所長)
2008年05月16日
豊後高田土木は3度目の勤務で、地域の実情は熟知している。しかし「うちの事務所に限ったことではないが、道路特定財源となる揮発油税などの暫定税率の問題で、4月は一部を除き、新年度の予算執行ができず困っていたが、再可決でホっとしている。正直なところ、大変な時に所長になったというのが実感」だそうだ。公共事業費は10年ほど前のピーク時に比べ半分以下。確かに大変な時だ。
しかし、「厳しい状況ながら、必要な事業はやらなければならない。地域の方々の要望にいかに応えていくか、いかにして建設業界を支えていくか、職員ともども知恵を出していきたい」と表情を引き締めた。
事業は「緊急度、重要度の高いものから、優先的に推し進めることを念頭におき、豊後高田市や地域住民の意見も聞きながら、事業効果が高まるように、実施していくつもり」と言う。
今、同事務所が最重点にしているのは、第一に国道213号香々地真玉バイパス工事。「工事進捗率がまだ20%なので頑張って事業を促進したい」。それに桂川の総合流域防災事業。「こちらは進捗率が50%になったが、桂川は過去に何度も氾らんしており、地域住民の安全を何より優先すべきなので、景観や生態系の保全も視野に入れ積極的に事業を進めていかねば」と力を込めた。
事業を円滑に進めていくうえで、大事なのは事務所内体制。「風通しの良い、コミュニケーションがとりやすい職場づくりを心がけている。良い施策や企画というのは、自由な会話から生まれるとの信念で、若い職員たちも自分の意見、企画などを自由に、積極的に発言できる職場にしたい」など、明るい雰囲気づくりに気を配っている。
建設業界に対しては、「長期にわたって厳しい状況が続いている。しかし、インフラ整備なくして、安全安心な市民生活は考えられない。安定した整備のためには、業界の頑張りが必要。横の連携を強め、無駄を省き、作業効率を上げ、この状況を乗り切ってもらいたい」と激励する。
奥さんと二人暮らし。一男一女がいて5人の孫がいる。スポーツは野球一筋で、若い頃は土木事務所チームで活躍した。58歳。
略歴
昭和44年、県職員に。大在土地区画整理事務所、国東、宇佐、佐伯、中津各土木勤務と続き、前任は日田土木次長。今年4月、現職。