奈須 宏二さん(宇佐土木事務所長)
2008年05月07日
「私は現場一本できたので、所長のイスに座るなど思ってもみなかった。良い仕事をするには、まずは職場の意思疎通をしっかりし、風通しをよくしなければ。明るい職場づくりには自信がある」と屈託のない笑顔。
宇佐市を管轄する同事務所。課題はいっぱいだ。「柳ヶ浦駅周辺の再開発に必要な道路整備や交通弱者のための通学路設置、交差点改良などに重点を置きたい。具体的には県道宇佐本耶馬溪線新設事業のうち畑田~江須賀間1500㍍の整備、国道387号の上拝田地区と院内町二日市地区に歩道設置、県道中津髙田線の下高家(しもたけい)地区に通学路を設ける」など、当面20年度は、これら道路事業を控えている。
さらに山本地区の駅館川に、防衛省事業で実施する拝田橋の架け替えをする。「この橋は洪水の時、流木などが引っかかって堰の状態になり同地区の浸水被害の原因になってきた」そうで、防衛省が関わるのは、日出生台演習場から土砂が流れ込むためだ。また地すべり防止のため、安心院町石仏地区の国道500号の法面改良も予定している。
中長期的には、「宇佐国見道路と長洲の駅館川河口上流に整備する県道中津高田線のバイパス道となる黒川松崎道路、農免道路和気~富山線は補強改良が必要」と、近い将来の計画、構想も、実現を目指して前進させなければならない。
建設業界に応援メッセージ。「公共事業が減少し、日本経済の先行き不安が強まるなど厳しい状況にあっても、必要な事業には積極的に取組んでいくが、今後は新規事業よりも、耐震補強や公共構造物の補修・補強事業の拡大が予想される。必要な技術を研究・導入して、ニーズに応えられるよう努力してほしい」と助言。
「平成2年の洪水で大被害を受けたJR豊肥線沿線18㌔の災害復旧事業に携わった時は、年間で2日間しか休みが取れなかった」そうだ。だが、やり遂げたときは、感動に浸ったと懐かしむ。河川改良「八坂川のショートカット事業」では、河口周辺の生態系に配慮して施工したのも、思い出深いという。
大分市森の自宅から車で通勤。56歳。
略歴
昭和45年に大分工業高校土木科を卒業、県入り。初任地は宇佐土木事務所。前職は県地域づくり機構の建設・用地買収参事。今年4月、現職。