大分建設新聞

インタビュー

千葉 英樹さん(県東部振興局長)

2008年05月02日
 徹底した現場主義がモットーだ。職員にも「足で稼げ。実際に見て感じることが大切」とハッパをかけている。  12年ぶりに国東に赴任、さっそく管内を回った。「あの頃に比べ過疎化、高齢化がずいぶん進んでいる。予想はしていたが、実際に目にして、びっくりした」と語る。  振興局は土木、保健福祉以外全て、広範な事業を担当する。東部振興局が今年度、最重点にしているのは、65歳以上の高齢者の人口が過半数を占める、いわゆる限界集落に目を向けて取組む小規模集落対策だ。管内には49の小規模集落があるが、別府市と日出町は各1集落のみで、残り全てが杵築市と国東市に分布する。鳥獣被害や医療、交通事情など課題が山積みだ。両市内からモデル地区を選定して、調査し、地域ならではの対策を検討する。  「活力が低下している地域にいかに元気を取り戻すか、管内の潜在力を引き出す」のが夢。県外から陶芸家や画家などのアーティストが移り住む国見地区の六郷満山文化と、別府の温泉郷を結びつけた、団塊世代向けの「文化を楽しむ温泉付き巡礼」の滞在型ツーリズムづくりを構想し、行政が何か支援できないか、と考えている。知事に提案したところ「面白い」と喜ばれたそうだ。  管内の農業振興の面では、杵築市のカヤノ農産の茶園や、広島県の(株)丸松による国東のカボス農園など、規模の大きい異業種参入が進んでいる。建設業界に対して「県も奨励し力を入れているので、積極的に参入してほしい」と呼びかける。  趣味は落語を聞くこと。旧緒方町(豊後大野市)出身の柳亭市馬には、早くから「うまい」と目をつけていたという。膨大な書籍や録音を収集しているが、通(つう)ぶらず、江戸も上方も、名人も若手も、古典から新作まで幅広く楽しむ。懐が深い方だ。  家族が住む別府市から国東へ単身赴任。57歳。        (中本)  九州大学法学部卒、昭和48年、県職員に。主に人事委員会、議会事務局に籍を置き、平成17年から宇佐市助役(行財政改革担当)。今年4月、現職。




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