大分建設新聞

インタビュー

藤島 康司さん(藤島)

2008年04月08日
 大分市曲で管工事など設備の設計施工とガラス精密加工などを主に手がける(株)藤島がこのほど、同社が開発した「スフィア街路灯」の成果が認められ、19年度異業種交流表彰で中小企業庁長官賞を受賞した。  スフィア街路灯は、LED(発光ダイオード)を使った照明器具で、CO2を排出せず、紫外線ゼロで虫も寄せ付けないうえ太陽光利用のため電気代もかからないという優れものだ。  社長の藤島康司さんは、「きっかけは、我が社が持つガラス加工技術とLEDを組み合わせて作った装飾用ガラス照明器具『C─ウエイブ・ライト』の開発でした。大型のガラスのモニュメントやオブジェ製作では成功していましたが、売り上げの安定化を狙って、アクセサリーやギフト製品の製作も手がけるようになって、その新分野として照明器具に目を付けたんです」とスフィア街路灯開発に至ったいきさつを話す。もともとは、冷暖房機器の販売施工会社として昭和39年に藤島さんが設立した会社だったが、公共工事の削減などを機に新分野開拓を積極的に進めてきた成果といえる。  スフィア街路灯は、C─ウエイブにさらに改良を加えて開発したものだが、改良に使った技術が仙台市のラボスフィア社のLEDと特殊レンズを組み合わせたスフィア光源。C─ウエイブが20個のLEDを使用したのに対してスフィアは4個ですごい光量を発したという。「すぐに特許使用権を取得しましたが、LEDのもう一つの弱点、照射角度が狭いという点を克服したのが、我が社で開発した砲弾状のバルクレンズです。光を拡散させ、遠くに飛ばすこのレンズの開発に一番時間を費やしました。大変な作業でした」と苦労を振り返る藤島さん。「今後は、年間100台以上、1億円の売上げを当面の目標に販路を拡大したい」と意気込む。  すでに、開発段階から協力している(株)大鐵はじめ県内外の企業と代理店契約を結んでいる。実績は、佐伯総合庁舎、大分市の城址公園などぶんぶん通りへの設置も予定されている。


大分市の城址公園に設置された「スフィア街路灯」


1億円の売上げを目指す藤島さん

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