村山 英三さん(ミツワ工業社長)
2008年03月28日
別府市の(有)ミツワ工業は、昭和48年にミツワ電設として電気工事業からスタートした。その後、管工事業、溶接、土木と次々と資格を取得。そして産廃処理業の資格も取った。社長の村山英三さんに、精力的に事業拡張してきた理由をたずねると、「人がマネできないようなことをしないと生き残れないと思っていました。オンリーワンになりたかったんです」とおしゃれな答え?が返ってきた。
そのオンリーワンを、同社が建設した産廃処理施設が、県内唯一の廃食用油処理施設として知事認可を受けることで達成した。「廃油処理施設建設を思い立ったのは、平成14年に廃油の不法投棄が市議会で問題視されたから。規制が強化されることを見越して決断しました。認可を受けるまでは、実験の繰り返しと権威ある研究所のお墨付きをもらわなければならず苦労しました」と村山さん。
建築基準法でレストランや集客施設などにグリーストラップという油脂分離装置の設置が義務付けられているが、当時は多くの施設でグリーストラップに集めた廃油を一般廃棄物として違法に処理していたという。
現在、ミツワ工業が処理を受け持っている施設は、大分市内の給食調理場63ヵ所をはじめ県内18ヵ所のハンバーガーチェーン店、老人福祉施設など多数。「まだまだ、適切に廃油を処理していない施設はたくさんあります。顧客が減ることはありません」と村山さんは事業の将来に自信をみせる。
それでも、処理施設に投資を決意したときは周りの人たちに反対されたという。市場が小さいことなどが反対理由だったが、環境問題が深刻化した世相が事業の追い風になった。「処理には細菌を使っていますし、最終処理物は有機肥料になるので環境に優しいんです。単価こそ小さいが、安定した副収入が得られ、異業種参入としても良いことづくめでしょう」と笑う。
昭和10年に別府市浜脇に生まれ、鶴崎工業高校を卒業後、鹿児島の鉄工所、別府で電気業、大阪で自衛隊、八幡製鐵勤めと、豊富な人生経験。この処理事業を人生の集大成と位置づける。趣味は釣り。
環境にも優しい廃油処理業に自身をみせる村山さん
環境にも優しい廃油処理業に自身をみせる村山さん