大分建設新聞

インタビュー

横井 成尚さん(サッポロビール(株)新九州工場長)

2007年11月24日
 日田市に進出して8年目。ビールの生産拠点であるとともに年間約60万人の工場見学者が訪れる日田の観光スポットでもある。先の大型連休では1日約2000人の見学者があった。  横井さんは、今年3月、前任の千葉工場製造部長から新九州工場長に就任した。「日田に来て、まず感じたのは、水が非常においしくビール醸造に適していることと、工場建設当初からお世話になっている地域の方々の温かい応援の心ですね。本当にすばらしいところ」と印象を話す。  同工場製品は、九州全域と中国・四国の一部に出荷しており、日田は醸造に必要な良質な水はもとより、物流拠点としての立地条件にもかなっていると言う。 多種多様のビールが市場に出回る中、国内でのシェアは第3位。今後の売上げ向上戦略は多岐にわたるようだが、「基本は安全・安心。高品質のビールを造ること」と言い切る。「原料の麦芽とホップは世界中の農家と協働契約栽培(同社では生産者とコミュニケーションをとりながら互いに協力する意味で協働という)をし、産地にはフィールドマンが赴き契約農家とのディスカッションや指導をおこなうシステムにより同社向けの高品質の原料を独自に生産している」そうで、とことん原料にこだわる。激しい販売競争を勝ち抜くには、まずは「畑からこだわり安心できる原料だけでおいしいビールをつくる」というわけだ。  工場運営の面では、厚生労働省の総合衛生管理製造課程(HACCP)の認証を受けるなど品質向上に力を注ぐ中、「地域密着型の運営により、地域の方たちに誇りにしてもらえるような工場を目指しています。また、社内では従業員の良いところや専門性を伸ばし、個人の能力を最大限に引き出すような人財育成(人は財産の意味)に努め、シナジー効果を高めることを目指している」と言う。  新しい工場ということもあり当面、大規模な設備投資計画はないもよう。既存設備の維持管理には注力していくとのことだ。  同工場は、地域参加型のイベントを催すなど地元との親交を深める傍ら、県が推進する環境保全活動「企業参画の森づくり」に参加し、地元の高瀬生産森林組合と協定を結び植林や枝打ちなど社会貢献活動にも熱心。また、国土交通省と日田市のアダプトプログラムにも参加し、国道の清掃活動などにも取組んでいる。  「酒量は人並みですが、もちろんビールは大好きです」と言い、「4月4日発売のエビス〈ザ・ホップ〉と5月16日発売の凄味〈生〉をよろしく」と、PRも忘れない。




取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP