大分建設新聞

インタビュー

恒行 正敏さん(東京商工リサーチ大分支店長)

2007年11月24日
 信用調査一筋のプロフェッショナルである。東京で入社して大分で30年、その間3年ほど長崎支店長も勤めたが、大分に関しては、隅から隅まで知る情報通。仕事がら常に厳しい分析、判断を迫られるため表現も辛口になる。  「全ての業界が構造転換を迫られている。建設業界も公共事業の大幅削減で文字通り叩き合いの競争となった。経営力、技術力そして資金力のあるところが生き残り、あとは淘汰されていく。業者の入れ替わりも激しいが、起業より廃業の方が多い。今年の経審評価をみても下の方は削られていくだろう」。  建設業の先行きに晴れ間は見えませんか?  「う~ん、難しいですね。銀行でも九州で残るのは4行ぐらい。軒並み大手の傘下入りです。デパートも同じ。現在、第2次ホテル戦争といわれるホテル業界もサバイバルになってきた。県内企業も、地元でシェアを持っているところが、メリットありと判断されて大手に接近されている。建設業も例外ではない。地場ゼネコンも残るのは2社ぐらいかな」。  それどころか外資のゼネコンまでやってくる可能性もあるというから驚く。一体どうすれば? 「市場の絶対量パイがあるかぎり、優良企業は残れる。これは企業規模の大中小でなく、さきほど言った経営力、技術力、資金力の揃ったところは大丈夫。中身で勝負できるから。ほかには、もし企業同士が手を組めれば、県外へ、というより国外へ、中国やインドの成長国へ出ていくのも一つの戦略ではないか」。  出口は自らの力で切り開け、ということか。建設業の大型倒産が目立った4月だが、ここしばらくは油断できない情勢が続きそうだという。 「クルマに車検があるように、ビルとかの建物にも定期点検の法律でもできませんかねえ。そうすれば建設業も少しは安定するんですがねえ」。  最後は、冗談のようなグチになったが、案外、グッドアイデアかもしれない。




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