大分建設新聞

インタビュー

宇都宮 敬二 さん(宇都宮工業)

2007年11月24日
 11月18日の土木の日に、別府土木事務所から「道路美化に対する表彰」を受けた宇都宮さん(54)。黙々と清掃作業する姿を見かけた人は多い。  宇都宮さんは、父成之さんとともに、10年以上にわたって県道成仏杵築線の尾迫から岩谷までの約3kmの区間で、自主的に側溝の清掃や草刈りを続けてきた。成之さんが入院してからのこの4年間は敬二さんが一人で続けている。  「賞をもらうつもりでやっていたのではないので、受賞には驚きました。地域のためになればと思って始めたのが認められたことは、素直にうれしいですね」と喜びを語る。実は、成之さんが道路の清掃を始めたのは20年ほど前になるという。  「草が路上にはみ出したり、大雨の時に側溝にたまった枯れ葉や泥が路肩にあふれるとスリップしやすくなっていたので、まずは自分たちのために始めたのが沿線の人たちに感謝されるようになったんです」と話す。  清掃作業には、時にはユンボを使っているが、宇都宮さんの本業は左官屋さん。20才で(有)藤原工業に弟子入りして、25才で独立した。  「仕事優先で残業、また残業の日々を送っていたら、気が付いたらこの年まで独身のままでした」とちょっぴり残念そう。まさに、左官業にすべてを捧げた人生を送ってきた。  「洋風建築が増え、左官仕事がめっきり減ったのは残念。日本の四季に合った建築は和風が一番。珪藻土を使った土壁は湿気を吸い取って快適だし、洋風の見かけの良さだけで家を選ぶのはどうかな」と嘆く。幸い、最近では和風建築の良さが見直されるようになった。「昔ながらの技術を見直して、左官がこれからの業界になるのが夢です」と熱く語る表情が印象的だった。




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