大分建設新聞

インタビュー

坂井建設(株)

2007年11月20日
 無添加住宅なるものが全国のあちこちで建てられているという。まさか食品で造られる住宅というわけでもなさそうだが、健康には良さそうだ。その無添加住宅のフランチャイザーが大分にもいるというので、取材に行った。大分市中戸次の、坂井泰久さんという、38才の若者が経営する坂井建設(株)だ。  事務所に着くと、サラダホームと書かれたのぼりに迎えられた。サラダホームは、坂井さんがネーミングした自社開発の商品で、こちらも身体に良さそうな家ではないか。早速、無添加住宅について聞く。「人工的に合成された化学物質を使わず、極限まで天然素材で造った家のことです。シックハウス症候群やぜんそく、アトピーなどのアレルギーを抑えるので一般住宅だけでなく、病院や公共施設に最適です」と、自信満々の説明。  坂井さんが無添加住宅を知るきっかけとなったのは、メンバーに入っている東京の経営者グループの勉強会に参加したときのことだ。「無添加に出会ったときから必ず売れる商品と感じました。将来的には、専門会社を立ち上げるつもりです」と意気込む。どんな住宅か?。外・内壁素材には漆喰(しっくい)を使い、接着剤には米のりやにかわ、防カビ剤には柿渋など、全てに自然素材を使う。問題は価格面だが、開発者の秋田憲司さんが漆喰や米のりなどを安価で作るシステムを確立して商品化することに成功した。  今後の売上目標を尋ねたら、「あまり売りたくない」。なぜ?。「以前、サラダホームの売り上げ目標を年間100棟にして、目標に近付いたとき商品の質が落ちてあわてたことがあった。以来、質を保てないほど売上げを伸ばさないと肝に銘じた」と理由を明かす。品質にこだわる姿勢は成功への近道ともいえる。  15才で大工の弟子入りをした坂井さん。宮大工だった父親が昭和36年に創業した会社を平成14年に引き継いだ。若い頃、資格取得に熱中し、その後勉強を重ねて住宅供給ネットワークで講演をこなす日々を送ったという。  余暇も仕事という仕事人間の坂井さん。たまの休みには、建築の専門書を読む。今後の活躍が大いに期待できる若者だ。




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