大分建設新聞

インタビュー

(有)S.A検査サービス

2007年11月20日
 国交省が昨年9月に、コンクリート構造物の強度測定手法として非破壊試験による測定試行要領を策定した。別府市に本社を置き、営業拠点が大分市鶴崎にある(有)S.A検査サービスは、これに着目し、本格的に建設業界に参入することを決めている。  建設業界では、異業種参入の動きが目立ち初めているが、同社はこの流れとは逆に建設業界に参入した珍しいケース。社長の阿部清治さんは、「県外の石油会社に勤めていて、プラントの内部欠陥などの非破壊検査業務を担当していたのですが、母が病に倒れて帰郷を余儀なくされ、今さら求職活動はできないので独立起業に踏み切ったわけです」と、コンサルタントを始めたきっかけを話した。  なぜ不況の建設業界に参入を?。「契約の多くは今でも原子力発電所などの検査ですが、マンションや橋梁の検査の依頼を受けるようになったので、国交省の発表を機に本格参入を決めました。それに、時代は新設より維持管理ですから需要増を見越した決断です」。確かな見通しがあってのことだった。  同社は『ニートを技術者に』をキャッチフレーズに、おもしろい方法で不足する技術者を確保している。「すでに14人の定職に就いていなかった若者を技術者に育て上げました。一人育てるのに2年間かかりますので、利益の大半が教育費に消えましたね。技術者を育てるのが社会貢献と思ってますので支出はあきらめてます」と阿部さん。  平成9年に一人で始めた会社も今では、全国に83人の有資格技術者を派遣するまでに成長した。非破壊検査のあらゆる方法をこなせる技術力は県内一で、施工実績は九州一と阿部社長は胸を張る。  さらに、今年はiTECS技術協会会員として国交省にも認められ、佐伯河川国道事務所の57号跨道橋の検査も請け負うことになった。  順風満帆の阿部さんの唯一の息抜きは、2人の娘と休日を過ごすことという優等生パパ。ただし、飲み始めたらは誰にも負けないほど飲んでしまうとか。




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