大分建設新聞

インタビュー

(株)三州コンクリート工業

2007年11月20日
 同社(宇佐市・後藤譲社長)が開発した「オールネイチャーロック」が、業界や発注者の注目を集めている。自然石を多孔質ポーラスコンクリートで強結。多孔質ゆえに背面の水を通すためバクテリアが発生し、表面に草、苔が生え、自然環境にマッチする環境保全型護岸ブロックだ。さらにポーラスコンクリートに混ぜ込んだ竹炭による水質浄化機能も兼ね備えている。これらが評価され、県が昨年創設した「トライアル発注制度」の認定企業となった。  旧西高地方振興局が発注した、豊後高田市田染の田園空間整備事業でオールネイチャーロックを使用、延長200m、延べ800m2の河川改修を施工した。その際現場の川では、日本文理大学工学部環境マテリアル学科の坂井美穂工学博士が河川の水質を調べた結果、ポーラスコンクリートに付着した微生物が河川水の水質浄化につながる因果関係も明らかになったという。  施工方法も基礎ブロックを設置、裏込石を入れ、継ぎ目にモルタルを充填しながらブロックを積み重ねるだけで、胴込コンクリート打設の必要性がなく、天候による作業の遅れなどもなくなる。設置後もコンクリート面には草が生えて自然と一体化し、景観美化効果も表れる。  高田の田園空間整備事業や高田土木事務所、北九州土木事務所など発注の14の施工実績があり、(社)発明協会の17年度九州発明表彰発明奨励賞も受賞した。  後藤社長は「近年、水質保全をはじめ、環境問題への対応が注目されている。災害を防ぐための河川改修工事が水質汚濁の一因となっているので、環境に優しい製品の開発に取り組んできた。ポーラスコンクリートが水質浄化に的確な素材ということは注目されてきたが、従来のコンクリートと同じ強度を保つ工夫が必要だった。全国各地の製品を見て回り、自然石とポーラスコンクリートを組み合わせ、竹炭を混ぜて水質浄化作用を高めることを考えた。水中生物の活性化、そしてホタルが住める水質を取り戻したい」と語る表情が、輝いて見えた。




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