大分建設新聞

インタビュー

(株)アース・ストーン

2007年11月20日
 発砲スチロールと特殊高強度モルタルを用いた新しい土木製品の開発と販売に実績のある同社(大分市下郡中央3丁目・佐藤全良社長)は先に、老朽用水路を破壊せずに従前以上の強度と美観で仕上げる「ゼムライナー工法」で特許を取得した。世界にも類を見ない新工法は、補修ではなくゴミや廃材を出さずに補修、それもCO2の発生を4分の1に抑え、工費を2分の1で仕上げる。  「『もったいない』という気持ちをいつも持っていました。従来の水路改修は、既存水路を壊して施工してましたから」と佐藤さん。県の職員として水路改修に携わっていた頃から不満があり、既存ストック活用工法の開発を思い立った。  「通常、水路を補修すると断面が縮小されるので壊すのはやむを得なかったのですが、この工法は高弾性モルタルとガラス繊維入り樹脂モルタルなどで塗工するので、既存ストックの核心を有効利用できました。世界中どこにもない発想ですよ」と自信満々語る。  この道50年という経験と実績がなしえた開発。これから全国に向けて販路を広げる。「性格は控え目な方ですが、大分のような地方から全国に発信するには、少し派手にやっていこうと思ってます」と笑った。  同社は、平成11年に中小企業庁長官賞を受賞している。発泡スチロールとコンクリートは付着しない、軽いものは強度が弱いといった従来の発想を逆転させた技術が認められてのことだ。  開発に至るまでは、資金繰りの面や休みも取らず働いた苦労があった。「よく倒れなかったものですね」という記者の問いかけに、「妻の助けがなかったら、こんなにうまくいかなかった。妻には本当に感謝しています」と昨年亡くなられた奥様への思いを口にした時、目には光るものがあった。




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