大分建設新聞

インタビュー

ハート事業部(鬼塚電気工事(株))

2007年11月16日
 IT企業といえばヒルズ族を連想される方が多いと思うが、大分にもIT事業で成功した企業があることをご存知だろうか。代表的なものでは、ネットプロバイダーの(株)コアラなどがあるが、今回は建設関連業者の異業種参入ということで、そのコアラの技術的サポートをしている鬼塚電気工事(株)のハート事業部「デジタル工房ハート」(原田貞夫所長)にスポットを当ててみた。  原田さんに話を聞くと、「IT事業への参入は、ハーモニーランドの施工を担当したことがきっかけです。遊具のロボトロニクスなどの制御がアップルコンピューター(マック)用で、管理運営できる人材を外部から確保したのがエンジニアチーム結成につながったのです」。順調にスタートしたIT事業も、日本語のマニュアルづくりやハーモニーのスタッフへの指導を続けるうちに、皮肉にもハーモニーのスタッフだけで操作ができるようになってしまったという。  「チームが用なしとなって弱りかけていたところに、当時の社長尾野徹が運営していたコアラがプロバイダー業務を始めたわけです。渡りに船とはいえ、こちらも初めてのことでノウハウはありませんでした。そんななか、プロバイダー事業のNTT地域実験の話があり、それを地方自治体としては唯一大分県が実施することになり、うちが請け負うことになったのです。県の補助を受けながら、知識と経験を積むことができたのは幸運でしたが、初めての試みでしたし、技術やシステムの習得には徹夜の連続でした」。  成功の影には苦労はつきものだが、今では競争が激化しているこの業界、先駆けとなれたのは強みといえよう。  今後の展望を問うと、「ネットワークが電気や水道のようにへき地の世帯まで行き届く時代は近い。それにいち早く対応すること。価格やコンテンツの質の向上に努め競争に負けないことが大事。ホームページを持たない企業は多いし、市場はまだまだ大きいですよ」と将来への自信を口にして笑った。  IT事業は、中央だけのものではない。地方からでも、建設業者からでも、まだまだ参入の余地はありそうだ。




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