大分建設新聞

インタビュー

藤本 知子さん((株)光伸電気工事〈杵築市〉)

2007年06月26日
 「夢を実現する」。口で言うのは簡単だけど、そうやすやすと夢は実らないものだろう。父親の仕事にあこがれて電気工事士になった藤本知子さん(27)は、その夢を叶えた。  別府大学短期大学部を卒業後、山香町で保育士を3年経験した。「子どもは大好き。だけど電気工事士になる夢があったので思いきって辞めました」と言う。大分高等技術専門校(大分市)電気設備科に通って、技術を学び、父の会社に入って木造住宅の配線作業に従事。大分県技能祭技能コンクールで3位に入賞、全九州技能大会に出場して努力賞を受賞するなど、着実に腕を上げ、今やなくてはならない貴重な戦力だ。  「でも、30kg近い電線の巻を運んだりと、女の身には力仕事がやっぱりたいへん。仕事柄高所での作業が多く、脚立から落ちてアザが出来たこともあったし、"おぅ"とショックを感じる程度の通電もある」そうだが、好きで入った道だから、そんなことは大して問題ではない。  かつては「男の仕事場」として成り立っていた建築現場だが、近年働く女性の進出がめざましく、能力的にも素晴らしいものがある。知子さんも、「仕事はバリバリやるし、動きに優しさや気遣いを感じ、女性ならではの細やかさが仕事に反映されている」と周囲は言う。 電気工事士2種の資格取得後も、技能講習(高所作業車・小型移動クレーン・玉掛)とアーク溶接作業特別教育を修了した。「高圧の免許も持っているが、まだ実務経験が必要」と追求欲はおう盛だ。  「小さい頃は杵築市内に住み、武家屋敷を夢中に駈け回って遊んだ」と子どもの頃を思い浮かべ楽しそうに話す。小学校からバレーボールを始め短大でもサークルに在籍。休日は「短大時代は大分市内に友達とショッピングに出かけたが、短大の友人は県外出身者が多く、最近は自宅で過ごし友達ともなかなか会う機会がない」と少し寂しそう。  今は両親と猫一匹の暮らしだが、近々弟も父の手助けに帰って来る。「普段は黒っぽい服装が多いが、好きな色は元気の出るオレンジが好き」だそうだ。




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