大分建設新聞

インタビュー

梅田 和比古さん(玖珠土木事務所長)

2007年06月07日
 隣の日田市で生まれ育ったのに、実は玖珠は初めての土地だという。「“えっ、まさか”という顔をされますねえ」と梅田さんは笑う。これまでは砂防課や河川課勤務が長く、ようやく縁が巡ってきたというところか。  赴任地の初感想は「玖珠は他の地域とは異なる特殊性を持っている」。特殊性とは管内にある日出生台演習場の存在である。「この演習場は防衛省の管轄になるので補助事業の内容も当然ほかの事務所とはかなり違ってくる。19年度事業の55%が同演習場関係の障害防止対策事業になる」という。つまり住民の生活道路上を戦車が走ったりする(戦車道路といって5mごとに鉄筋コンクリート舗装にしている)ので、その傷んだ部分の改修工事や、演習によって地形学上起きやすくなる降雨時の土砂流出、河川の浸食防止を兼ねた砂防堰堤工事などが不可欠となる。「道路改修工事は地元のB級業者、砂防堰堤工事は規模的にも億単位の工事になるのでA級業者ということになるが、業者数は今はバランスがとれている」そうだ。  このほか一般の道路改良事業については「住民からの要望の強い道路を優先し砂防ダム事業にも力を入れたい」とし、具体的には幹線道路で沿線に学校がある国道387号(宇佐~熊本)改良工事が中心事業になるほか、県道玖珠山国線、同飯田高原中村線沿いの玖珠川災害復旧工事などを推進する。特に玖珠川の工事は17年の集中豪雨被害から3年目の今年が最終年度となる。中でも同路線内の”夢の大吊り橋”付近は、観光客の増加と生活道路面での早急な対策が望まれており、「九重町とも協力し合って、できるところから改良工事を進めたい」と梅田さん。  49人の職員のトップとして心がけたいことは、「住民の意見をよく聞き、きちんと説明責任を果たすこと。そのためには日頃から問題意識を持っていなければ」と強調する。「人は失敗するものだが、大事なことは責任の追及よりも原因の追求。許容する(心の)大きさも必要」と自らを戒める言葉も。  大分市の自宅から毎日1時間半をかけての自動車通勤。休日は「家内は小説、私は好きな映画をDVDで」楽しんでいるそうだ。




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