大分建設新聞

インタビュー

上城 哲さん(県中部振興局長)

2025年05月22日
 1991年入庁、行政企画課参事(総括)、知事室長、企画振興部審議監を経て、4月から現職。
 県庁に入って最初の赴任地が日田地方振興局(現西部振興局)で、振興局は2回目の勤務となる。日田は風倒木で有名な台風19号の災害で仕事も大変だったが、飛んできた瓦でフロントガラスにヒビが入った愛車を、しばらくそのままにして走っていたことなど、思い出を笑顔で語る上城さん。
 中部振興局の印象を尋ねると「県内の人口が約108万人で、管内人口は55万人を超えており半数が管内に住んでいることになる。大分市をはじめ津久見、臼杵、由布と管内は広く海あり山ありで、農業はかんきつ類、甘藷、梨など主要な産地があるが、漁業も関あじ・関さばや養殖業も盛んで、漁業者の4分の1以上は管内が占めている。また、建設業も含めた2次産業が県内の63%を占め、産出額は1兆円を超え北九州市と並ぶほどで、面積も経済規模も大きいと感じている」と話す。
 管内の農業分野では、津久見の長目地区3・6㌶の再整備を進めており、今年1㌶にセミノール(柑橘)を定植する予定でモデルケースとなる整備が進む。由布市庄内町の平石で梨団地を造成中だが、若い人が入植することになっているほか、臼杵市野津町の旧野津高校の運動場跡地に甘藷(甘太くん)の選果場をつくる計画もあり「管内は、元気があるなと思う。大規模園芸団地づくりに力を入れたい」という。
 ソフト面では、歴史文化遺産がたくさんあり、その一つの臼杵稲葉藩下屋敷では、これまで観覧するだけの施設から「臼杵ほんまもん野菜」を使った新メニューの「USUKIVENUE」を提供する施設にすることや、藤居酒造のコメを使ったウイスキーの開発も期待されている。「臼杵フェリーターミナルが17日に供用開始したが、新しく背後地の公園などもきれいに整備され対岸の愛媛県八幡浜も新しくなっており、飲食などターミナルを目指してやってくる集客施設に期待したい」と述べた。
 また「2024年問題や高速道路の進展で物流が伸びておりフェリーも益々重要になると思っているので追い風にしたい。西大分港のホーバーターミナルからの眺めが海と山とが夕日でオレンジ色に輝いて、きれいに見えることなどをアピールしながら、道の駅『たのうらら』や『かんたん公園』などとにぎわいの場にしたい。管内には楽しみなものがたくさんある」―と地域振興に意欲を燃やした。
 建設業界に向けて「インフラ整備に必要な建設業は、特に最近頻発する自然災害の復旧に重要度が増している。人手不足や技術の継承が課題となっているがDXやICT施工が進んでいるのに驚いた。しっかり頑張ってほしい」とエールを送った。
 趣味は、読書と草花。愛読書は白石一郎の「航海者」、草花は球根が好きで鉢が増えすぎて奥さんから叱られないように注意している。最近は、管内行事に引っ張りだこで趣味の時間がないと、うれしい悲鳴を上げる。宇佐市出身57歳。
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