大分建設新聞

インタビュー

髙木 政幸さん(県西部振興局長)

2025年05月20日
 愛媛大学卒業後、1991年に入庁。豊後高田県税事務所を初任地として、中小企業課、地方課、三重土木事務所、財政課、副知事秘書、財政課長、総務部審議監などを経て、今年4月から現職。
 「日田への赴任は初めて。寒暖差が激しいとは聞いていたが、実際に来てみると自然も豊かで、食べ物もお酒もおいしい。とても良いところだと実感している」と語る髙木政幸局長。玖珠・九重を含めた管内全体に広がる雄大な自然と歴史ある文化、さらには木材産業に触れ、「まさに木とともに育ってきた地域という印象を受けた」と話す。
 1991年、県職員に採用され最初の勤務先は豊後高田市の県税事務所。その後は中小企業課、財政課、三重土木事務所、副知事秘書、総務部審議監などを歴任。財政課長としては、新型コロナウイルス感染症対応の真っただ中で、4年間にわたり補正を含む38回の予算編成を手掛けた。予算が多い年度では補正予算が14号に及び、「最前線で対応に当たる現場などがすぐに事業執行できるよう、スピード感を持って予算成立に取り組んだ」と振り返る。
 現在、力を入れる事業の一つが園芸団地の整備。梨や白ネギ、ピーマンなど地域の特産に合わせた団地化を進め、新規就農者や企業が参入しやすい農業環境の整備に力を注ぐ。「3市町や農協関係団体と連携し、地域の強みを生かす農業を県として支援していきたい」と意欲を示す。また観光では、TSMCの進出で人の流れが増える熊本からの誘客に期待。「意外と近い!ひた・くす・ここのえ」をキーワードに、熊本市内でのプロモーションや、食・酒を通じた体験型PRを展開していく構想だ。
 一方で、担い手不足は大きな課題だと指摘する。「農業も観光も人が居て初めて成立する産業。人を大切にし、育て、活動の後押しをすることが振興局の役割だ」と強調した。林業についても、大径材の活用や早生樹の導入などによる循環型林業の構築に取り組む。豊かな自然を生かした産業の持続可能性を高めることで、活気のある地域づくりを目指すという。
 職員に対しては「地域に足を運び、住民の声を聞き、何ができるかを考え続けてほしい」と話す。縦横の連携を大切にし、風通しの良いチームで取り組む姿勢が何よりも重要だと指摘した。
 建設業界に対しても、「防災・減災対策、万が一、災害が発生した場合の復旧・復興事業をしっかり進めたい。ぜひ、お力添えをお願いしたい」として信頼を寄せ、「農業・林業の小規模事業にも、地域維持の観点から協力してほしい」と呼び掛けた。
 仕事で意識しているのは、元上司の言葉で「A=当たり前のことを、B=ぼやっとせずに、C=ちゃんとやれ」を大切にしている。「当たり前のことを誠実に行い続けることが何より難しく、だからこそ重要だ」と教えられた。
 最後に趣味を尋ねると「映画鑑賞や読書、そして晩酌。それくらいですよ」と笑顔を見せた。大分市出身の56歳。
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