大分建設新聞

インタビュー

森﨑 貴嗣さん(日田土木事務所長)

2025年05月13日
宮崎大学卒業後、1989年に入庁。日田土木事務所を初任地として、臼杵土木建設課長、建設政策課参事、道路建設課高速交通ネットワーク推進監、砂防課長、豊後大野土木事務所長などを経て、今年4月から現職。
 日田土木事務所への勤務は1989年の新規採用以来、34年ぶり2度目となる。初任地として4年間を過ごした日田の地は「町並み、文化、風土、全てに思い入れがある。福岡に近い経済圏としても活気があり、林業などの産業も活発。今も風情と魅力ある町だと感じる」と森﨑貴嗣所長は語る。以降、臼杵土木建設課長、建設政策課参事、道路建設課高速交通ネットワーク推進監、砂防課長、豊後大野土木事務所長などを歴任し、今年4月、日田の地に戻ってきた。
 30年以上にわたるキャリアの中で、砂防分野に特に長く携わってきた。とりわけ、由布市での災害対応や風倒木災害の対策業務などを通じて、スピード感を大事にしている。「抜本的な対策がすぐできなくても、応急対策のめどをつける、見通しを立てるスピード感が大切」と話す。
 管内の主要事業でまず挙げたのは、中津日田道路。現在は1号トンネルで本坑・避難坑の掘削が進んでいるが「湧水の影響で一部工区の掘削が中断した経緯もあり、遅れを挽回してしっかりと形にしていきたい」と話す。加えて、新たに三つのトンネル整備も今後に計画されており、「トンネル工事は進捗が分かりにくいため、進捗状況を示す広報看板の設置などで、地域の皆さんに広く丁寧にお知らせしていきたい」としている。
 また、昨年の豪雨で崩壊した国道386号三郎丸橋についても「市道や仮設橋での迂回が続いており、地域の皆さまにご迷惑をお掛けしている。夏ごろに橋脚工を発注し、2027年3月の開通を目指したい」と語った。
 職員に伝えたのは「連携力」の重要性だ。「縦軸・横軸の連携、コミュニケーションが不可欠でどんな事業も土木事務所単体ではできない」と呼び掛ける。天ケ瀬温泉の復旧でも、地域住民・市役所・観光業者などと連携し、単に河川改修や護岸整備をするだけでなく、にぎわいの再生につながる事業の在り方を模索している。
 業界に対しては「代替わりが進む中でも団結力が強く、地域を守る意志を強く感じ、心強い存在」と信頼を寄せる。担い手不足が深刻化する中、ICTやDXを活用した業界の魅力発信、若年層・保護者世代へのアプローチを含め、建設業界・教育関係者と三位一体での取り組みを模索している。
 座右の銘は「継続は力なり」。休日は、大分市の自宅で果樹の手入れに汗を流す。「カボスやブルーベリーなど庭いじりが好き」と笑顔を見せた。大分市出身の58歳。
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