大分建設新聞

インタビュー

藤井航さん(㈱大分事業承継プラザ)

2025年03月05日
 建設業界を含め、各業界では人手不足や後継者不足が深刻化している。大分県内で、建設業に特化した事業承継の手伝いをする㈱大分事業承継プラザ(大分市)の藤井航さんに、建設業の事業承継について話を聞いた。
 建設業は特殊な業種で、許認可や経営審査の観点から、引き継ぐにも一定の資格や経験がある人材が必要になる。また、運転資金も高額になるため、親族内での引継ぎが敬遠され、後継者探しに苦労することも多いそうだ。
 M&Aの仲介会社は数多く存在するが、建設業に特化した仲介会社はほとんどない。そうした状況の中、大分事業承継プラザは建設業に特化して事業承継の手伝いをしている。
 「私たちは、大分県の建設業界の実情を深く理解しており、業界特有の課題にも対応できる。事業承継には長期的な準備が必要で、引継ぎについて何となく考えている方、悩んでいる方は、まず相談を」と、早い段階での動き出しが重要だとしている。
 一般的に、事業承継には5~10年の準備期間が必要とされており、①親族内承継(子どもや親族に引き継ぐ)②従業員承継(長年勤めた社員や幹部に譲る)③第三者承継(M&A、外部の企業や投資家へ売却する)―のいずれかの方法を慎重に選択しなければならない。
 中小企業の経営者の中には、自身の会社の価値に気付かずに廃業を選択する人も多い。「中小建設業者は、長年築き上げた取引先との信頼関係、従業員の技術や経験、そして企業文化など、貴重な財産を持っている。それらが廃業によって次世代へ引き継がれないことは、建設業界の大きな損失といえる」と強く訴えている。
 藤井さんは、より的確なアドバイスができるようにと、中小企業診断士の資格取得へ向けて勉強中。福岡県の大学を卒業後、県内の企業を経て、経営などに興味もあったことから、縁あって現在の職に就いた。大分市出身の25才。
 事業承継についての問い合わせは、同プラザ事務局(℡097〈578〉6009)、またはホームページ(https://maplaza.biz/〈Web大分にバナーあり〉)まで。
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