大分建設新聞

ニュース記事

県内初、総CLT建築 冨士屋ホテルで見学会無料

行事・講習会・表彰別国地区
2024年09月26日
 別府市の「冨士屋ホテル」を新築している㈱一也百(はなやもも)(鉄輪上、安波治子社長)は22日、県内初となる総CLT建築の木質構造見学会を開いた。完成後、見えなくなってしまう同構造の貴重な内部が見学できるとあって、建築関係者らが足を運び、珍しい施工状況を確認していた。
 同ホテルは、総CLT構造の3階建て。設計をしげる設計一級建築事務所(別府市)、施工を㈲岩男住建(宇佐市)、CLT建築部分については、同建材の製造から建築まで手掛ける銘建工業㈱(岡山県)が直営で請け負っている。工期は来年2月まで、5月の開業を目指す。
 この日の見学会では、銘建工業の三嶋幸三営業部長が案内を務め、CLT建築のメリットについて説明。3階までを2~3週間で立ち上げる施工スピードや、条件によっては移築も可能となるなど、その特徴について解説した。
 同ホテルは、鉄輪上1組にある「冨士屋一也百(旧冨士屋旅館、現在ホール&ギャラリーとして運営)」に隣接して、同館の宿泊棟として建設されている。1968(昭和43)年に完成したRC造2階建ての旧冨士屋旅館の新館があった場所で、老朽化により96(平成8)年に閉館した。
 その後は再生工事を模索していたが「明治期から125年現存する建物の横に、同じく次世代に伝えられる建築を」と、CLT建築の計画が進められてきた。
 見学会は29日と10月6日にも予定されており、全て予約制となっている。詳しくは一也百のホームページ、または同社(℡0977〈66〉3251)まで。
 【メモ】CLT建築とは、木を縦横圧着させ鉄筋の代わりとなる強度を持つ木質構造での建築。国産材の間伐材を利用したW造で高層建築が可能となるほか、別府のような温泉地では鉄骨より温泉成分(腐食)に強いなどの特徴を持つ。またコンクリート養生期間が不要なため建築速度が早く、建材は全てリサイクル可能なものとなっている。
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP