大分建設新聞

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仕事より人間関係が不安 大分工業高・企業座談会無料

社会貢献・人材育成大分地区
2024年06月19日
 大分工業高校は18日、4回目となる県内企業担当者と生徒、保護者が就職活動について意見を交わす座談会を開いた。座談会は高校と企業との相互理解を深め、県内就職率向上と今後の進路支援の在り方を考えることを目的に開いている。㈱佐伯建設を含む県内企業8社の担当者、3年生の生徒会役員4人、PTA関係者が意見を交わした。
 第一部は、生徒を除く企業とPTAとの話し合い。早期離職を防ぐ話があり、企業から「専門のコーチングスタッフを付けて、長期ビジョンを持って育成している」などの声があった。また、熊本県に進出した台湾の半導体メーカーTSMCの給与が高い話があり、各社もベースアップをどこまでするべきかなどの悩みも出た。保護者からは、「3年勤めないと仕事の本質は分からないと思うが、今の時代にはそぐわない」「社会に出る際の武器として資格が重要。専門科以外の資格取得も必要になる」などの意見も出た。
 県内の各高校には、就職する生徒を支援する体制のほか、就職したが退職してしまった卒業生も支援する仕組みがある。また、近年は生徒が就職する際、保護者の意見や考え方も重要な部分を占めるため、保護者向けに情報提供や就職説明会を開く企業も増えているという。
 第二部は、生徒会役員の3年生4人が参加。生徒から各企業へ新入社員の心構えや理想の人物像の問いに「チャレンジ精神を持ってほしい」「社会人も日々勉強があるので、前向きに取り組める人がよい」「感謝の心を忘れないでほしい」「会社を知る、いろいろなことに興味を持つことが、自身と会社の成長につながる」などと答えがあった。
 生徒から就職する時の不安材料として、「自身が住む土地、会社の寮などの情報が少ないため、離れた場所での就職が不安」「仕事の内容より、やはり人間関係が心配。きつい仕事は耐えられるが、人間関係が嫌になったら辞めるかもしれない」との声が。特に人間関係では、生徒全員が仕事の大変さより不安視していた。
 最後に、企業から進路先を考え始めた時期の問いがあり、1年生の夏休み頃との意見が一番多く、その後、進路ガイダンスやインターンシップ、企業説明会などを経て、2年生時には具体的な進路先を決めているようであった。そのため、企業側も早期のアプローチが必要だという認識となった。
 円福秀樹校長が「生徒がしっかりとしたビジョンを持ち、取り組んでいることが分かった。学校としても各企業と連携しながら、情報を含めて生徒へ還元をしてく」と話した。
 参加企業は、㈱佐伯建設、エスティケイテクノロジー㈱、大分キヤノン㈱、大分交通㈱、㈱デンケン、㈱日本マイクロニクス、モバイルクリエイト㈱、REALIZE㈱―の8社。
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