大分建設新聞

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地域の将来を考える 大和ハウス工業講演無料

行事・講習会・表彰別国地区
2024年03月18日
 杵築市と市立山香病院(小野隆司院長)は16日、築30年が経過し、高齢化率が75%を超えた開発分譲地区別府湾杵築リゾート(梶ケ浜地区)を対象とした、地区の現状と将来像について話し合う医療フォーラムを市健康福祉センターで開いた。全国で開発した住宅地の見直しを行っている大和ハウス工業㈱が「どんなまちに住み続けたいか」をテーマに、まちづくりの取り組みを話した。
 フォーラムには、病院・市関係者、地域住民ら約90人が参加、今回が13回目。
 1994年に開発した別府湾杵築リゾートの現状・取り組みについて、同社森林住宅管理運営部の山中則雄部長が、開発面積約32万平方㍍、371区画を紹介。全区画温泉付き分譲、温暖な瀬戸内式気候などが好評で、大阪・東京・福岡などからの移住者が定住・別荘として購入した。しかし開発から30年が経過し、同社が全国で開発してきた地区の中でも高齢化率は75・3%、後期高齢化率も38・6%とどちらも1位であることから、今後も住み続けられる持続可能なまちにするための取り組みに着手。▽散歩の休憩やおしゃべりの場として利用できる開放型のシェアサロンを建設▽図書スペースを併設した交流施設を設け、マルシェなどを開催▽2023年1月からは山香病院・市と地区の医療について話し合いをスタートさせ、6月から山香病院までの交通支援サービスの実証実験を開始、また、健康増進・維持など出前講座の実施に取り組んでいること―を話した。
 また、基調講演では、同社の原納浩二常務が過去に開発した全国61カ所の郊外型住宅団地「ネオポリス」は、新たなまちの魅力を創出し、ネオポリスを再耕する(地域資源やニーズを掘り起こし、住み続けたいまちをつくる)、リブネスタウンプロジェクトを戦略としていること、全国8カ所の取り組みで、石川県の加賀松が丘(道路空間やインフラの再整備に力を入れた、高齢者の生きがい・健康づくりに焦点を当てた例)や、兵庫県の緑が丘・青山(住宅団地内にミニ胡蝶蘭の栽培施設を建設し、高齢者や知的障がい者の雇用創出に取り組んだ例)の紹介―などを述べた。
 永松悟市長は「高齢化が進む市では、病気を未然に予防し、健康でいられるまちづくりをすることが大切。それが医療費の軽減、市の活性化につながる」と結んだ。
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