大分建設新聞

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けんせつ女子に活力 日塗装がセミナー無料

行事・講習会・表彰大分地区
2024年02月29日
 日本塗装工業会は2月24日、大分市府内町のコンパルホールで「けんせつ女子ビューティーセミナー」を開いた。県内の建設業界で働く女性や建設関係の学校・学部に通う女子学生ら約60人が参加し、化粧品メーカーの試供品を使ってのスキンケアアドバイスを受けたり、同じ業界で働く女性の体験談に耳を傾けたりして、今後の業界での女性活躍推進に一層の期待を寄せた。
 セミナー開催は3年目で、全国10ブロックで順次開催されている。今回が7カ所目で、大分では初開催となった。業界に在籍する女性の活躍を理解し応援することにより、定着率の向上、女性が活躍できるフィールドを広げると共に、やる気向上を促し、業界全体の活性化を目指すことを目的に開催されている。
 はじめに日塗装普及委員会の片桐久委員長(山形県)が「全国2300を超える会員社中、直接雇用の女性従業員は約700人ほどという現状がある。われわれはもっとこの数を増やし、建設業界でもっと輝いてほしいと考えている。セミナーを通し、その機運が高まることを期待している」、また日塗装九州ブロックの木下顕会長(熊本県)も「役員も男性が多くを占める業界ではあるが、女性にも業界の魅力を知ってもらい、技術者や現場監督、またカラーコーディネーターとしての活躍など、一人でも多く仲間になってもらいたいと考えている」と述べた。
 プログラム前半では、グループに分かれた各テーブルを資生堂のビューティーアドバイザーたちが回り、現場で紫外線を浴びた後のスキンケア、ヘルメットを脱いだ後のヘッドスカルプケア、入浴時の疲労回復のツボ押し場所、ワンポイントメイクアドバイスなどを、試供品を使って実際に体験したり、ブースで似合う色のカラーコーディネート診断を受けたりした。
 プログラム後半では、㈱wiwiwコンサルティング事業部の深田絵里講師が「女性活躍推進と自分らしいキャリアの考え方」と題して講演。▽女性活躍推進と世の中の動き▽男女平等世界ランキング(世界経済フォーラムで2023年に発表された指数では、日本は146カ国中125位。G7最下位)▽アンコンシャスバイアス(女性だから○○であるべきだ、などの無意識の思い込み)について▽将来自身がありたい姿や状態を思い描く、キャリアビジョンの大切さ―などを、数字や資料を基に話した。
 講話の中でグループディスカッションやパネルディスカッションも行われ、パネリストとして、構造物補修塗装メーカーのエス・エルテック㈱(福岡県)で勤務する主任研究員の天野佳絵さん、㈲幸建企画で大型トラックドライバーとして勤務する石河瑳恵花さんが登壇した。2人は①仕事でうれしかったこと、苦労したこと②仕事と家庭、子育ての両立の難しさ、それについてどう家族や周囲の協力を得たか③現場のトイレ問題など、会社経営者へどうすれば声を届けることができるか―などの質問に対し、それぞれの立場から意見を述べた。
 最後に深田講師は「男女に力の差はあっても、能力の差はない」と明言し、業界で働く女性たちに「世の中の変化を知り、自分らしく働くために、自分のキャリアについてよく考えて」と呼び掛けた。
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