大分工業高校（佐藤啓治校長）は23日、同校で土木科３年生（39人）が課題研究発表をした。同科１、２年生、保護者約10人、土木科職員、実習に協力した大分河川国道事務所の甲斐隆太地域防災調整官、同大野川出張所の山本貴之所長、タナベ環境工学㈱の太田宗一郎常務ら約１５０人が参加した。
　この活動は土木科３年生の授業の一環で、生徒たちが班ごとに課題を見つけ研究し解決することで、専門の知識や技術を深めることを目的に開催している。
　２０２３年度のメインテーマは、産学官連携によるＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）の研究として『「土木」について知識・技術の深化のために』。
　はじめに、土木科主任の松岡慎一郎教諭が「この取り組みは今年度で９年目を迎える。学校だけではできない学習や実践的な体験を生かし、本校を卒業した生徒たちが、日本を支える土木技術者になることを土木科職員一同は願っている」とあいさつ。
　その後、①ＤＸ研究班「建設産業におけるＤＸの現状と私たちが考える未来の姿」②土木施工研究班「カラーセメント、パーラメントを使用したコンクリートの強度テスト」「小松製作所、大分大学の見学」「舗装の修理」③河川環境研究防災班「水生生物と水質調査」「護岸工事現場でＩＣＴ施工など最先端技術を見学」などをテーマに、昨年６～12月までの７カ月間をかけて取り組んだ研究成果を発表した。
　発表の後、保護者から「よくできていることに感心した。最新技術などの学びを次につなげてほしい」、大野川出張所の山本所長は「よく調べた内容を動画やイラストで説明され、分かりやすく感心した。伝える力はとても大事。社会でも生かしてほしい」、続いてタナベ環境工学の太田宗一郎常務が「以前の土木業界は、環境破壊などと言われ厳しかったが、災害が多発する最近は、復旧という大きな使命を担い、社会に貢献し見直されている。優秀な土木マンが多く排出されている大工に、業界は期待している」など称賛とエールが送られた。
　最後に、生徒代表の佐藤駿さんが「暑さの中での土木作業と工事の大変さ、砕石リサイクルで温暖化の抑制や、最新機械と技術の体験で効率と安全性が高まる、などを学んだ。学校で学べないことを体験と研究できたことに大変感謝している」とお礼を述べた。
　今回の研究に協力した会社は次の通り。
▽㈱安東建設、㈱小松製作所実用試験部、柴田建設㈱、ダイエーコンサルタント㈱、タナベ環境工学㈱、大分大学理工学部創生工学科、日本文理大学工学部建築学科、国土交通省九州地方整備局大分河川国道事務所、同大野川出張所。