4カ所で現地研修 県畑地かんがい推進協無料
行事・講習会・表彰豊肥地区
2023年12月06日
県内1市7土地改良区(水利組合含む)で構成される県畑地かんがい施設対策推進協議会(小山一善会長)は11月29日、大野町土地改良区管内で師田原ダムや県央飛行場など4施設の現状と、抱える課題について話し合う現地研修会をした。
会員が畑地かんがい施設の管理などに関する現状・課題や事業推進の事例を現地で研修することで、課題解決と畑作振興につなげるのが目的。
研修会には30人が参加。小山会長は「今回で現地研修はひと通り終わる。最近起きる突発事故に対し大口径の資材を県でストックするよう国・県に要望、実現した。これからもコックをひねれば水が出る状態にする土地改良区の役目を果たしていきたい」とあいさつ。初めに、大野町土地改良区についての室内研修をした後、現地へ移動した。
現地研修では、大野町の師田原ダムで大野町土地改良区の後藤芳光事務局長が、ダムの規模やダムへの集水のために5カ所の頭首工を設けていることなどを説明。「今年は秋台風がなかったので現在70%の貯水量であるため、来年1月まで水を使うピーマン農家への影響が心配」とも。参加者は頭首工を見学し、河川の水量が一定量を超えた時に取水できる仕組みについて「珍しい」と感心していた。
次に県央飛行場を視察。藤原邦夫所長が1992年に農道空港として開港、97年から公共用その他飛行場になったことにより農産物輸送、防災ヘリの基地、遊覧飛行、大分空港への旅客輸送、自家用飛行機の飛来などに利用され、年間600回以上の利用があることなどを説明。参加者は格納庫や滑走路を見学し「近くで見ると思ったより規模が大きい」などの感想が聞かれた。
続いて農業水利施設保全合理化事業の豊後大野東部第2期地区を視察。豊後大野水利耕地事務所の秋篠雅子副主幹が師田原ダムから利水する畑かん施設の老朽化に伴う改修工事を解説した。工事概要は、管水路工延長1779㍍、工期2022~23年度の2カ年で用水の安定供給と維持管理費の節減を行い農家の生産効率の向上を目的としている。総事業費は1億2900万円。参加者からは加圧ポンプは使用するのか、旧配管は撤去するのか、などの質問が出された。
最後に、将来農業を希望する人を養成するインキュベーションファームを視察。豊後大野市農林業振興公社の伊東俊光営農指導員が「農業経営者の高齢化や後継者不足への対策として全国から農業企業者を募集し、1週間程度の短期体験研修を経たのち、自己資金の確認や熱意、人間性を審査したうえで毎年3組を受け入れ、ピーマン栽培を主として2年間研修を行い独立させている」と、話した。研修用のほ場約2・2㌶、ビニールハウス6棟、トラクター3台、動力噴霧器2台、軽トラック2台に加え研修生用の宿泊施設(2LDK)6世帯分を用意し、事業開始の12年度から今日まで22組が就農し、現在11期2組と12期3組が研修中。参加者からは「これからは水の安定供給だけでなく施設維持管理費のためにも農業経営者を増やすことを考える必要がある」などの声が聞かれた。
豊後大野土地改良区の概要は次の通り。
▽1976年4月1日設立、組合員数1056人、受益面積1101㌶(畑755㌶、田346㌶)
▽基幹水利施設「師田原ダム」=傾斜コアー型ロックフィルダム、L=219㍍、H=57㍍、V=67万1816立方㍍、有効貯水量291万2000立方㍍
▽集水路=頭首工5カ所、集水路L=3655㍍
▽管水路=3万4650㍍(幹線L=1万4809㍍、支線L=1万9841㍍)
▽ポンプ機場=十時一括水圧ポンプ、小倉木揚水ポンプ、中原加圧ポンプ、向原加圧ポンプ
▽畑地かんがい=VP、SGPL、L=約200㌔、A=771㌶
▽大野原発電所=水源:師田原ダム、2射式横軸ペルトン水車1基、年間発電量42万4000㌔㍗(10年間平均)、加圧ポンプなどに使用。
会員が畑地かんがい施設の管理などに関する現状・課題や事業推進の事例を現地で研修することで、課題解決と畑作振興につなげるのが目的。
研修会には30人が参加。小山会長は「今回で現地研修はひと通り終わる。最近起きる突発事故に対し大口径の資材を県でストックするよう国・県に要望、実現した。これからもコックをひねれば水が出る状態にする土地改良区の役目を果たしていきたい」とあいさつ。初めに、大野町土地改良区についての室内研修をした後、現地へ移動した。
現地研修では、大野町の師田原ダムで大野町土地改良区の後藤芳光事務局長が、ダムの規模やダムへの集水のために5カ所の頭首工を設けていることなどを説明。「今年は秋台風がなかったので現在70%の貯水量であるため、来年1月まで水を使うピーマン農家への影響が心配」とも。参加者は頭首工を見学し、河川の水量が一定量を超えた時に取水できる仕組みについて「珍しい」と感心していた。
次に県央飛行場を視察。藤原邦夫所長が1992年に農道空港として開港、97年から公共用その他飛行場になったことにより農産物輸送、防災ヘリの基地、遊覧飛行、大分空港への旅客輸送、自家用飛行機の飛来などに利用され、年間600回以上の利用があることなどを説明。参加者は格納庫や滑走路を見学し「近くで見ると思ったより規模が大きい」などの感想が聞かれた。
続いて農業水利施設保全合理化事業の豊後大野東部第2期地区を視察。豊後大野水利耕地事務所の秋篠雅子副主幹が師田原ダムから利水する畑かん施設の老朽化に伴う改修工事を解説した。工事概要は、管水路工延長1779㍍、工期2022~23年度の2カ年で用水の安定供給と維持管理費の節減を行い農家の生産効率の向上を目的としている。総事業費は1億2900万円。参加者からは加圧ポンプは使用するのか、旧配管は撤去するのか、などの質問が出された。
最後に、将来農業を希望する人を養成するインキュベーションファームを視察。豊後大野市農林業振興公社の伊東俊光営農指導員が「農業経営者の高齢化や後継者不足への対策として全国から農業企業者を募集し、1週間程度の短期体験研修を経たのち、自己資金の確認や熱意、人間性を審査したうえで毎年3組を受け入れ、ピーマン栽培を主として2年間研修を行い独立させている」と、話した。研修用のほ場約2・2㌶、ビニールハウス6棟、トラクター3台、動力噴霧器2台、軽トラック2台に加え研修生用の宿泊施設(2LDK)6世帯分を用意し、事業開始の12年度から今日まで22組が就農し、現在11期2組と12期3組が研修中。参加者からは「これからは水の安定供給だけでなく施設維持管理費のためにも農業経営者を増やすことを考える必要がある」などの声が聞かれた。
豊後大野土地改良区の概要は次の通り。
▽1976年4月1日設立、組合員数1056人、受益面積1101㌶(畑755㌶、田346㌶)
▽基幹水利施設「師田原ダム」=傾斜コアー型ロックフィルダム、L=219㍍、H=57㍍、V=67万1816立方㍍、有効貯水量291万2000立方㍍
▽集水路=頭首工5カ所、集水路L=3655㍍
▽管水路=3万4650㍍(幹線L=1万4809㍍、支線L=1万9841㍍)
▽ポンプ機場=十時一括水圧ポンプ、小倉木揚水ポンプ、中原加圧ポンプ、向原加圧ポンプ
▽畑地かんがい=VP、SGPL、L=約200㌔、A=771㌶
▽大野原発電所=水源:師田原ダム、2射式横軸ペルトン水車1基、年間発電量42万4000㌔㍗(10年間平均)、加圧ポンプなどに使用。