大分建設新聞

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友岡組が測量機器寄贈 「24年4月」環境土木コース新設で〈三重総合高〉無料

社会貢献・人材育成豊肥地区
2023年11月07日
 県立三重総合高校に2024年4月から農業・生活関連の土木技術を学ぶ「環境土木コース」が新設され、豊肥地区の建設土木業界は、若い技術者の誕生、育成に大きな期待を寄せている。県内に農業土木の専門コースがあるのは21年に発足した国東高校環境土木科に続いて2校目。期待する地元では、㈱友岡組(豊後大野市大野町)が同高に測量機器を寄贈して新コースの誕生を支援した。
 友岡組は10月30日、三重総合高校・生物環境科に測量機器デジタルレベル一式を2セット(約90万円)寄贈した。長年にわたり地元から要望のあった土木技術を学べるコースとして、2024年度から同科に「環境土木コース」が新設されることになり、同社は地域の発展に寄与する総合土木技術者の育成に大きな期待を寄せている。
 寄贈式では、同社の友岡誠一社長が「この地域に土木を教える学校がなかったこともあり、建設会社に就職する生徒がいない。建設業は人手不足のなか、ますます問題は深刻だ。当社でも何か支援したいと今回の寄贈を行った。しっかり機器を使って勉強していただき、ぜひ地元の建設会社に就職して、地域の守り手として頑張ってほしい」とあいさつ。
 新設される環境土木コースでは、地域住民の生活環境や農業の生産環境を整えることのできる土木技術者を育成。さらに、近年多発する自然災害から市民生活を守るためのインフラを整備できる知識、技術を養成する。授業は農業土木施工、測量、水循環などを学ぶほか、ドローンによる測量実習や、県立国東高校環境土木科と結ぶオンライン授業、CADによる製図実習などを導入する。
 定員は生物環境科全体で40人を予定しており、1年次は最先端の技術を取り入れた野菜コース、室内園芸装飾技能士の国家資格を目指す草花コース、食品製造コース、環境土木コースの4コースを広く学び、2年進級時に1コースを選択して2年間学ぶことになる。県内で農業土木関係の学科を有するのは国東高に次いで2校目となる。
 友岡社長は、今回の寄贈に留まらずインターンシップや出前講座でも支援していく考えだ。
 寄贈式で生徒代表の中島壱吹さん(2年生)は「私は卒業後、土木関係の仕事に就くことを考えている。来年度から本格的に土木に関する専門的な学習が始まる。本日頂いた機器を大事に活用していきたい」とお礼を述べた。
 最後に渡辺智久校長が「3年間をかけ即戦力となる確かな力を養成し、地域の持続的な発展に貢献する土木人材を育てていこうと考えている。地域の熱い要望に応えられるよう学校としても努力していく」と方針を述べた。
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