建設業労働災害防止協会県支部は７日、大分市内で２０２３年度の県建設業安全大会を開き、死亡災害が多発していることを踏まえ「非常事態」を発令し、これ以上の死亡災害を起こさないことを誓った。
建災防県支部では、８月30日現在、県内における全産業の労働災害による死亡者８人のうち、５人が建設業だったことを受け、同日に「非常事態」を発令。９月１日から10月31日までの期間を「県労働災害防止緊急対策強化期間」とした。
　期間中は、経営トップ自らによる緊急安全衛生パトロールを実施し、各事業場の点検表のほか、期間中の点検事項として９項目を追加で確認をする。
　友岡孝幸支部長は「きょうから死亡災害を止めていく決意を持ち、細心の注意を払ってほしい。働き方改革も進み、時間外労働の上限規制も始まる。しかし、働き方改革で建設業が良くなるとは思えない。改革により、経営陣・作業員も収入が減る状況になる。また、工期が延びれば資金繰りも厳しくなる。国土強靱化関連で発注も多いが、人が足りない。２０２５年には、建設業が後期高齢者だけになる可能性もあり、私たちが未来に向けた施策を考えていかなければならない。しっかり働いて、しっかり休みが取れ、完全に安全なる現場をつくることが重要である」などとあいさつ。
　来賓の佐藤広道大分労働局長、河崎拓実大分河川国道事務所長、三村一県土木建築部長の代理で五ノ谷精一審議監、今井雅則建災防会長の代理で小笠原清美事業部長が、それぞれ祝辞を述べ、第一部を終了。
　第二部は、大分労働局労働基準部健康安全課の小野伸太郎課長補佐が「第14次労働災害防止計画に基づく労働災害防止対策」、建災防本部の杉野仁俊安全管理士が「台風、大雨等に係る建設工事における労働災害防止の徹底」と題して、それぞれ講演した。
　表彰者は次の通り。
　◇令和５年度全国建設業労働災害防止大会表彰（紹介）
▽優良賞＝㈱佐伯建設、㈱平和建設
▽功績賞（委員会委員）＝道脇慎一郎（㈱道脇建設）
▽功績賞（職長）＝上田秀策（㈱伊藤鉄筋工業）
　◇令和４年度安全優良職長厚生労働大臣顕彰（紹介）
▽大山幸三（㈱藤工務店）
　◇令和５年度県建設業安全大会表彰
▽優良賞＝㈱三伸道路、㈱小松建設、宇都宮建設㈲、㈲桂建設、㈱廣亜、日昇建設㈱、㈲大蔵重機、㈲佐々木建設、清川産業㈱、広域建設㈲、㈲川野組、㈱風戸工務店
▽功績賞（委員会委員）＝堤聖也（㈱城山建設）
▽功績賞（職長）＝佐藤高光（㈱藤工務店）、甲斐鉄也（㈱佐藤塗工）、花田諭（㈲花田鉄筋工業）。