大分建設新聞

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ドローンの実装見学会 舟本大橋下部工を点検〈県ドローン協〉無料

行事・講習会・表彰大分地区
2023年08月04日
 大分県ドローン協議会の測量・点検・調査分科会は7月28日、大分市下戸次の大野川に架かる舟本大橋左岸高水敷(増水時に冠水する部分)でドローンの実装見学会を行った。
 実施したのは同協議会員の㈱テクノコンサルタント(大分市、甲斐猛社長)で、内容は橋梁点検用中型ドローンによる橋梁下部工の点検。実務に沿った点検を行い、ドローンの技術レベルの向上と活用促進を図るとともに、ドローンを飛行させる時の注意点や、メリット・デメリットなどについても理解を深めてもらうのが目的。参加したのは会員企業、県職員など17人。
 伊東修分科会長は「先端技術なら何を使ってもいいわけではない。ドローンには長所も短所もあるが、メリットの方が大きいことを確認してもらえるのではないかと思う」とあいさつ。続いてテクノコンサルタントの技術三部先端技術推進の木谷大希部長が「これから行うのは、国交省の性能カタログに掲載される新技術で、下部工の定期点検に使用できる近接目視と同等に評価されている」と説明。
 さらに点検に使うドローン(M300RTK―i)について、そのシステム構造や飛行撮影支援アプリ、撮影パラメーターの機能・概要、またコンクリートのひび割れは0・2㍉まで確実に判読できるなどと説明。
 実装実験では、フルサイズセンサーカメラを搭載したドローンを、プロポ(飛行管理アプリを設定したコントローラー)の操作で離陸させ、上下に櫛型飛行と水平移動を繰り返しながら点検対象の橋梁下部工を撮影した。
 着陸後、撮影データが精度を保てるデータになっているかを精度管理アプリで自動判定。参加者は興味深げにパソコンのディスプレイをのぞき込んでいた。
 木谷部長が「点検はこの後、データを持ち帰り1000枚以上も飛行撮影した画像を補正した歪のないオルソ画像を生成、AIひび割れ検出サービスで状態把握を行い、損傷図を作成する」と説明。
 質疑応答では、参加者から最小ひび割れ幅の計測精度について質問があり、伊東会長は「ドローン点検では条件が良ければ幅0・05㍉までのひび割れを検出できる。これは損傷図に記録する必要はないが、写真に残しておけば、以前はなかったひび割れが大きくなった場合に確認できる」と、追跡調査にも応用できる点を指摘、ドローンのメリットを強調した。
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