大分建設新聞

インタビュー

山口 甲一郎さん(豊後大野土木事務所長)

2023年07月26日
 略歴~1989年県職員に。初任は国東土木事務所。その後、本庁港湾課、県道路公社、農林水産部水産振興課、各土木事務所、本庁道路保全課参事、同道路建設課参事などを経て、4月から現職。
 豊後大野土木事務所に勤務するのは12年ぶりという山口甲一郎さん。1989年に国東土木を皮切りに、海洋土木と道路整備に半々従事したという。
 今まで関わった大きな事業では、大分市久土から宮河内を結ぶ国道197号大分東BP、米良有料道路、大分空港道路の日出JCTから日出ICまでの整備がある。
 特に空港道路では、県が管理する橋梁としては二番目に長い早水大橋(L=638㍍、杵築市)を担当。同橋は、県内でも例を見ない22(9+9+4)径間連続中空床版橋で、1径間分の支保工と型枠装置がある設備を使い、橋体を1径間ごとに施工する大型移動支保工架設工法で造られ、2001年に完成した。
 事務所管内では多くの事業があるが、やはりメインは三重新殿線BPの整備となる。「今は牟礼前田工区(L=3040㍍)を進めており、進捗管理も徹底している。今年度は1号橋の上部工と3号橋の下部工、切土工、盛土工などを、今年度と来年度で2号橋の橋脚などを進める」と、着実に工事を推進している。三重新殿線BPの整備は、13年から勤務した本庁道路課時代に関わっていたため、また整備に携われることがうれしいそうだ。
 また、同線以外の道路整備もある。豊後大野市は三重町、清川村、緒方町など5町2村が合併して誕生した。この町村間と中九州自動車道を結ぶ道路ネットワーク整備も未改良区間を中心に進める。「三重新殿線と道路ネットワーク整備、治水と土砂対策、橋梁の耐震と、管内くまなく事業を実施して、地域の発展に貢献していく」と決意を語る。
 建設業界へは「県建設業協会大野支部とは災害協定を結んでおり、災害時には迅速に対応していただき、感謝する。建設産業は社会資本整備から維持管理、災害時には最前線で活動するなど、地域の守り手だ」と強調し、「業界は担い手の確保、時間外労働の上限規制などの問題がある。解決するためには生産性向上が必要であり、事務所としてもICT工事促進の説明会を独自に開きたい」と、今後も業界と協力体制を構築していくとした。
 事務所では、大野支部などと協力して中学校での土木未来教室の開催、職員がインスタグラムやケーブルテレビを通じて情報発信するなど、建設業の魅力や役割を伝える活動も積極的に行っている。
 趣味はスポーツ観戦で、大分トリニータ、福岡ソフトバンクホークスを応援する。休日は、2週間に1度、地元の杵築市でお父さんの野菜作りの手伝いをしているそうだ。大学時代には、所属していたサイクリング部で1日に300㌔を走破したこともあるという、忍耐強さがうかがえる所長である。56歳。
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