大分建設新聞

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障がい者アートを支援 大建協が寄付金無料

社会貢献・人材育成県内全域
2023年07月05日
 県建設業協会は、2018年度に開かれた「第33回国民文化祭」と「第18回全国障害者芸術・文化祭」を機に、障がいがある人たちの自主的な創作活動を支援する「元気のでるアート!実行委員会(原野彰子代表)」とともに、工事看板に障がいがある作家たちが描いたアートを掲載する「建設現場から元気のでるアート!」プロジェクトに取り組んでいる。
 プロジェクトでは、建設業協会の協会員が県内各地の工事現場に掲げる工事看板に、実行委員会から提供されたアートを一緒に掲示。掲載実績に基づき、協会が使用料(1枚につき100円)を実行委員会へ寄付し、障がい者アートを支援する。22年度は、20人のアート作家の作品100枚を県内各地で、協会員204社が延べ3464枚掲載した。
 この掲載実績に応じた寄付金の贈呈式が4日、大分市内で開かれた。実行委員会から作家と事務局担当者、建設業協会から友岡孝幸会長をはじめ4副会長と各支部長、県から土木建築部の中村充宏参事監兼建設政策課長、福祉保健部の高木広之障がい者社会参加推進室長、工事看板を制作した会社の代表者らが出席。
 友岡会長が掲載実績などを説明し「地域の方々に大変好評いただいている。作家の皆さんの言葉を聞くと、続けてよかったと思う。今後の芸術活動の一助となれば」と寄付金を実行委員会の河野龍児さんへ贈呈。
 河野さんが「コロナ禍で作品の発表機会が少なかったので、工事看板のおかげで励まされた。知り合いから、作品見たよとの声も多くあった。これから外出の機会も増えてくる。多くの人が作品を目にすることに期待したい」と、お礼を述べた。
 また、中村参事監が「県内各地で看板を目にできるのは、皆さんのおかげ。今後も活発に活動されることを期待する」と三村一県土木建築部長のあいさつを代読。高木室長が「障がい者アートに力を入れていくので、さらなる協力をお願いする」と話した。
 最後に、実行委員会事務局が「現場がある地域出身の作家を使っていただくなど、配慮に感謝する。日田から大分市内の看板を見に来た人もいた。大変、励みになっている」と述べ、友岡会長が「皆さんの明るい未来のため、創作活動が続けられるよう微力ではあるが支援していきたい。作品を通じて、建設現場が地域になごみ、優しさが溢れるよう、私たちも努力していく」と締めくくった。
 作家からの声として「遠方の知人から看板見たよ、と連絡がある。自分の代わりに作品が旅をしているような感じがする」「息子さんの看板見たよ、と声をいただき、家族以外にも息子のことを多くの方が気にかけているのだと、うれしく思う(家族より)」など、多くの人が県内各地で看板を見つけると、「ここで見たよ」と写真付きで本人や家族などに連絡しており、アート看板を通じた障がい者支援の輪が着実に広がっている。
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