大分建設新聞

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あけのアライアンスGに決定 明野住宅建て替え〈大分県〉無料

工事・計画大分地区
2023年06月26日
 県は23日、県営明野住宅(大分市明野)建て替え事業の実施事業者を「あけのアライアンス」グループに決定した、と発表した。県主体の住宅建て替え事業でPFI・BT方式の入札は初めてで、代表企業は㈱和田組(別府市)。県土木建築部公営住宅室によると、落札金額は57億2000万円(消費税別)で、同地区内のA~C区画に住棟、集会所合わせ全7棟を建設する。次点は梅林建設グループだった。
 県営明野住宅は、「あけのアクロスタウン」と明野第一陸橋北交差点を挟んで対角の位置に広がる、明野西1丁目を中心とした住宅街にある県営住宅で、建て替え対象は、A区画の3棟120戸、B区画の5棟151戸、C区画の5棟174戸(以上、明野西)、D区画の3棟120戸(明野北)の計16棟565戸。
 いずれも1966~70年にかけて整備され、築50年以上が経過しており老朽化が進んでいる。4・5階建て住宅にもかかわらずエレベーターが設置されていないこと、給湯器や浴槽、シャワーなどの設備も整備されていないこと、などから建て替えが検討されていた。
 決定した「あけのアライアンス」グループは、代表企業を㈱和田組が務め、設計を㈱飯田建築設計事務所、設計および工事監理を㈱大建設計九州事務所、建設を和田組・新成建設㈱・㈱利根建設、住民たちの移転支援に㈱別大興産の6社で構成されている。和田組は既存住宅解体後の予定地活用も担当する。
 提案では▽現入居者にとって親しみやすく負担を感じさせない住棟配置や積極的な環境負荷低減への配慮がなされていること▽可能な限り現在と同じ区画に移転可能な計画となっており、高齢者や日本語での意思疎通が困難な外国人をはじめ多様な入居者に寄り添った提案であること▽子育てしやすい環境整備に焦点をあて、需要を見込んだ民間施設を建設―などが高く評価された。総合評価点は781・32点。
 建て替え住宅の概要は、A~C区画にそれぞれ、A区画に2棟(6階建て延べ2799・27平方㍍48戸、7階建て延べ3260・23平方㍍56戸)、B区画に3棟(8階建て延べ3721・19平方㍍64戸、9階建て延べ5728・66平方㍍99戸、平屋集会所295・63平方㍍)、C区画に2棟(3階建て1831・23平方㍍33戸、平屋集会所124・21平方㍍)の全7棟を建設する。住棟は5棟300戸への集約建て替え計画となっているほか、駐車場311台、駐輪場331台、児童遊園、ごみ置き場なども整備される。また、旧住宅解体後の予定地活用事業として▽子育て支援施設(2階建て延べ535・6平方㍍、駐車場7台)▽賃貸マンション・テナント棟(6階建て延べ2624・29平方㍍、駐車場73台)▽月極駐車場(暫定、49台)―を計画している。
 事業スケジュールは、本契約の締結を9月ごろに予定しており、2023年9月以降に設計を、24年10月以降に建設を行う計画。入居は25年10月からを予定している。既存の住宅解体は24年4月ごろから順次着手する。その後の跡地活用予定施設については、29年4月ごろから着手する予定で、全事業の完了は30年3月末になる見通し。
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